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101念仏無間地獄抄

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放逸の邪見の輩なり、権者に於ては之を用いず賢哲又之に随うこと無し。  然る間斗賀尾の明慧房は天下無雙の智人・広学多聞の明匠なり、摧邪輪三巻を造つて選択の邪義を破し、三井寺の長吏・実胤大僧正は希代の学者・名誉の才人なり浄土決疑集三巻を作つて専修の悪行を難じ、比叡山の住侶・仏頂房・隆真法橋は天下無雙の学

102念仏無間地獄抄

102ページ

夷を禁ぜんが為且は衆徒の欝訴を優に依つて其の根本と謂うを以て隆寛・成覚・空阿弥陀仏等其の身を遠流に処せしむ可きの由・不日に宣下せらるる所なり、余党に於ては其の在所を尋ね捜して帝土を追却す可きなり、此の上は早く愁訴を慰じて蜂起を停止す可きの旨・時刻を回さず御下知有る可く候、者綸言此の如し頼隆・誠恐・頓

103念仏無間地獄抄

103ページ

らず、仍て在在所所の所持並に其の印板を大講堂に取り上げて三世の仏恩を報ぜんが為に之を焼失せしめ畢んぬ、又云く法然上人の墓所をば感神院の犬神人に仰せ付けて破却せしめ畢んぬ。  嘉禄三年十月十五日・隆真法橋申して云く専修念仏は亡国の本為る可き旨文理之有りと。  山門より雲居寺に送る状に云く、邪師源空・存

104当世念仏者無間地獄事

104ページ

 当世念仏者無間地獄事 安房の国・長狭郡・東条花房の郷蓮華寺に於て浄円房に対して日蓮阿闍梨之を註るす、文永元年甲子九月二十二日。  問うて曰く当世の念仏者・無間地獄と云う事其の故如何、答えて云く法然の選択に就いて云うなり、問うて云く其の選択の意如何、答えて曰く後鳥羽院の治天下・建仁年中に日本国に

105当世念仏者無間地獄事

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言等の智者とおぼしき人人も皆或は帰依を受けんが為に或は往生極楽の為に皆本宗を捨てて念仏者と成り或は本宗にして念仏の法門を仰げるなり。  今云く日本国中の四衆の人人は形は異り替ると雖も意根は皆一法を行じて悉く西方の往生を期す、仏法繁昌の国と見えたる処に一の大なる疑を発する事は念仏宗の亀鏡と仰ぐ可き智者

106当世念仏者無間地獄事

106ページ

る可し、何に況や念仏宗の長者為る善慧・隆観・聖光・薩生・南無・真光等・皆悪瘡等の重病を受けて臨終に狂乱して死するの由之を聞き又之を知る、其の已下の念仏者の臨終の狂乱其の数を知らず、善導和尚の定むる所の十即十生は闕けて嫌える所の千中無一と成んぬ、千中無一と定められし法華・真言の行者は粗ぼ臨終の正念なる

107当世念仏者無間地獄事

107ページ

功徳と名けて弥勒に付属し、観経念仏をば芬陀利華と名けて阿難に付属し、阿弥陀経の念仏をば大善根と名けて舎利弗に付属す、終の付属は一経の肝心を付属するなり又一経の名を付属するなり、三部経には諸の善根多しと雖も其の中に念仏最なり、故に題目には無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経等と云えり、釈摩訶衍論・法華論等の

108当世念仏者無間地獄事

108ページ

如く有れども正法像法の時は根機猶利根の故に諸行往生の機も之有りけるか。  然るに機根衰えて末法と成る間・諸行の機漸く失い念仏の機と成れり、更に阿弥陀如来・善導和尚と生れて震旦に此の義を顕し、和尚日本に生れて初は叡山に入つて修行し後には叡山を出でて一向に専修念仏して三部経の意を顕し給いしなり、汝捨閉閣

109当世念仏者無間地獄事

109ページ

る三部経には諸の小乗経並に歴劫修行の諸経等の諸行を仏・小善根と名け給うと云ふ事を、左右無く念仏よりの外の諸行を小善等と云えるを法華涅槃等の一代の教なりと打ち定めて捨閉閣抛の四字を置きては仏意にや乖くらんと不審する計りなり、例せば王の所従には諸人の中・諸国の中の凡下等一人も残る可からず民が所従には諸人

110当世念仏者無間地獄事

110ページ

法華経の流通並に涅槃経には実教を前とし権教を後とす可きの由見えたり、在世には実を隠して権を前にす滅後には実を前として権を後と為す可き道理顕然なり、然りと雖も天竺国には正法一千年の間は外道有り、一向小乗の国有り、又一向大乗の国有り、又大小兼学の国有り、漢土に仏法渡つても又天竺の如し、日本国に於ては外道

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日蓮大聖人御書

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