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1271法門申さるべき様の事

1,271ページ

 而るに末代に及びて天台・真言・両宗中あしうなりて骨と肉と分け座主は一向に真言となる骨なき者のごとし・大衆は多分・天台宗なり肉なきもののごとし、仏法に諍いあるゆへに世間の相論も出来して叡山静ならず朝下にわづらい多し、此等の大事を内内は存すべし、此の法門はいまだをしえざりき・よくよく存知すべし。  又

1272法門申さるべき様の事

1,272ページ

を起し或は我が生身の本尊たる大講堂の教主釈尊をやきはらい或は生身の弥勒菩薩をほろぼす、進んでは教主釈尊の怨敵となり・退いては当来弥勒の出世を過たんとくるい候か、この大罪は経論にいまだとかれず、又此の大罪は叡山三千人の失にあらず公家武家の失となるべし。  日本一州・上下万人・一人もなく謗法なれば大梵天

1273法門申さるべき様の事

1,273ページ

にもをとらず、提婆菩薩の外道に殺され師子尊者の檀弥利王に頸をはねられしにもをとるべきか、もししからば八幡大菩薩は日蓮が頂を・はなれさせ給いてはいづれの人の頂にかすみ給はん、日蓮を此の国に用いずば・いかんがすべきと・なげかれ候なりと申せ、又日蓮房の申し候・仏菩薩並びに諸大善神をかへしまいらせん事は別の

1274十章抄

1,274ページ

法華経なり「諸文を散引して一代の文体を該れども正意は唯二経に帰す」と申すこれなり。  止観に十章あり大意・釈名・体相・摂法・偏円・方便・正観・果報・起教・旨帰なり、前六重は修多羅に依ると申して大意より方便までの六重は先四巻に限る、これは妙解迹門の心をのべたり、今妙解に依つて以て正行を立つと申すは第七

1275十章抄

1,275ページ

無我ととかせ給いき、二乗は空観に著して大乗にすすまざりしかば仏誡めて云く五逆は仏のたね・塵労の疇は如来の種・二乗の善法は永不成と嫌わせ給いき、常楽我浄の義こそ外道は・あしかりしかども名はよかりしぞかし、而れども仏名をいみ給いき、悪だに仏の種となる・ましてぜんはとこそ・をぼうれども仏二乗に向いては悪を

1276十章抄

1,276ページ

 この文を止観よみあげさせ給いて後ふみのざの人にひろめてわたらせ給うべし、止観よみあげさせ給はばすみやかに御わたり候へ。  沙汰の事は本より日蓮が道理だにもつよくば事切れん事かたしと存じて候いしが人ごとに問注は法門にはにずいみじうしたりと申し候なるときに事切るべしともをぼへ候はず、少弼殿より平三郎左

1277教行証御書

1,277ページ

し二十四字を一切衆生に向つて唱えしめしがごとし、彼の二十四字を聞きし者は一人も無く亦不軽大士に値つて益を得たり、是れ則ち前の聞法を下種とせし故なり、今も亦是くの如し、彼は像法・此れは濁悪の末法・彼は初随喜の行者・此れは名字の凡夫・彼は二十四字の下種・此れは唯五字なり、得道の時節異なりと雖も成仏の所詮

1278教行証御書

1,278ページ

生死の苦海に沈まん事よ、円機純熟の国に生を受けて徒に無間大城に還らんこと不便とも申す許り無し、崑崙山に入りし者の一の玉をも取らずして貧国に帰り・栴檀林に入つて瞻蔔を蹈まずして瓦礫の本国に帰る者に異ならず、第三の巻に云く「飢国より来りて忽ち大王の膳に遇うが如し」第六に云く「我が此の土は安穏○我が浄土は

1279教行証御書

1,279ページ

婆羅門が高座の足等云云、彼れ此れ是くの如き次第何なる経文論文に之を出すやと等云云、其の外常に教へし如く問答対論あるべし、設ひ何なる宗なりとも真言宗の法門を云はば真言の僻見を責む可く候。  次に念仏の曇鸞法師の難行・易行・道綽が聖道・浄土・善導が雑行・正行・法然が捨閉閣抛の文、此等の本経・本論を尋ぬべ

1280教行証御書

1,280ページ

それほどに浦山敷もなき死去にて候ぞやと・和らかに又強く両眼を細めに見・顔貌に色を調へて閑に言上すべし。  状に云く彼此の経経得益の数を挙ぐ等云云、是れ不足に候と先ず陳ぶべし、其の後汝等が宗宗の依経に三仏の証誠之有りや未だ聞かず、よも多宝分身は御来り候はじ、此の仏は法華経に来り給いし間・一仏二言はやは

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日蓮大聖人御書

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