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1321千日尼御返事

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子は財と申す経文も・はんべり・所以に経文に云く「其の男女追つて福を修すれば大光明有つて地獄を照し其の父母に信心を顕さしむ」等と申す、設い仏説ならずとも眼の前に見えて候。  天竺に安足国王と申せし大王は・あまりに馬をこのみて・かいしほどに・後には・かいなれて鈍馬を竜馬となすのみならず・牛を馬ともなす・

1322千日尼御返事

1,322ページ

て父を子に・あづけ給へり、其れよりついに人を馬となす事は・とどめられぬ。  子ならずば・いかでか尋ねゆくべき、目連尊者は母の餓鬼の苦をすくひ浄蔵浄眼は父の邪見をひるがいす、此れよき子の親の財となるゆへぞかし、而るに故阿仏聖霊は日本国・北海の島のいびすのみなりしかども後生ををそれて出家して後生を願いし

1323国府入道殿御返事

1,323ページ

 国府入道殿御返事 文永十二年 五十四歳御作  あまのりのかみぶくろ二つ・わかめ十でう・こものかみぶくろ一つ・たこひとかしら。  人の御心は定めなきものなればうつる心さだめなし、さどの国に候いし時・御信用ありしだにもふしぎにをぼへ候いしに、これまで入道殿をつかわされし御心ざし・又国も・へだたり年

1324国府尼御前御書

1,324ページ

 国府尼御前御書 建治元年 五十四歳御作  阿仏御房の尼ごぜんよりぜに三百文、同心なれば此の文を二人して人によませて・きこしめせ。  単衣一領・佐渡の国より甲斐の国・波木井の郷の内の深山まで送り給候い了んぬ、法華経第四法師品に云く「人有つて仏道を求めて一劫の中に於て合掌して我が前に在つて無数の偈を

1325国府尼御前御書

1,325ページ

り、されば身命をつぐべきかつてもなし・形体を隠すべき藤の衣ももたず、北海の嶋に・はなたれしかば彼の国の道俗は相州の男女よりも・あだをなしき、野中に捨てられて雪にはだへをまじえ・くさをつみて命をささえたりき、彼の蘇夫が胡国に十九年・雪を食うて世をわたりし、李呂が北海に六ケ年がんくつにせめられし・我は身

1326一谷入道御書

1,326ページ

 一谷入道御書 建治元年五月八日 五十四歳御作  与一谷入道日学女房  去る弘長元年太歳辛酉五月十二日に御勘気を蒙つて・伊豆の国・伊東の郷と云う処に流罪せられたりき、兵衛の介頼朝のながされてありし処なり、さありしかども程無く同三年太歳癸亥二月二十二日に召し返されぬ、又文永八年太歳辛未九月十二日重ねて

1327一谷入道御書

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不思議あり・人是を知らず、譬えば虫の火に入り鳥の蛇の口に入るが如し真言師・華厳宗・法相・三論・禅宗・浄土宗・律宗等の人人は我も法を得たり我も生死を離れたる人とは思へども・立始めし本師等・依経の心をも弁えず、但我が心の思い付いて有りしままに其の経を取り立てんと思へる墓無き心計りにて・法華経に背けば又仏

1328一谷入道御書

1,328ページ

に阿弥陀仏を書造り・或は人ごとに口口に或は高声に唱へ・或は一万遍・或は六万遍なんど唱うるに・少しも智慧ある者は・いよいよ・これをすすむ、譬へば火に・かれたる草をくわへ・水に風を合せたるに似たり、此の国の人人は一人もなく教主釈尊の御弟子・御民ぞかし、而るに阿弥陀等の他仏を一仏もつくらず・かかず・念仏も

1329一谷入道御書

1,329ページ

の敵よりも悪げにありしに・宿の入道と云ひ・妻と云ひ・つかう者と云ひ・始はおぢをそれしかども先世の事にやありけん、内内・不便と思ふ心付きぬ、預りより・あづかる食は少し付ける弟子は多くありしに・僅の飯の二口三口ありしを或はおしきに分け或は手に入て食しに・宅主・内内・心あつて外には・をそるる様なれども・内

1330一谷入道御書

1,330ページ

せて有りけるには奉行入道・豊前前司は逃げて落ちぬ、松浦党は数百人打たれ或は生け取にせられしかば・寄せたりける浦浦の百姓ども壱岐対馬の如し、又今度は如何が有るらん彼の国の百千万億の兵・日本国を引回らして寄せて有るならば如何に成るべきぞ、北の手は先ず佐渡の島に付いて地頭・守護をば須臾に打ち殺し百姓等は北

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日蓮大聖人御書

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