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1441新池御書

1,441ページ

かはりて多くの人を導く、仏陀化をやめて寂光土へ帰り給へば堂塔・寺社は徒に魔縁の栖と成りぬ、国の費・民の歎きにて・いらかを並べたる計りなり、是れ私の言にあらず経文にこれあり習ふべし。  諸仏も諸神も謗法の供養をば全く請け取り給はず況や人間としてこれをうくべきや、春日大明神の御託宣に云く飯に銅の炎をば食

1442新池御書

1,442ページ

ぬればあしき心出来し人の為にあしきが如し、仏は法華以前の迦葉・舎利弗・目連等をば是を供養せん者は三悪道に堕つべし、彼が心は犬野干の心には劣れりと説き給いて候なり、彼の四大声聞等は二百五十戒を持つことは金剛の如し・三千の威儀具足する事は十五夜の月の如くなりしかども・法華経を持たざる時は是くの如く仰せら

1443新池御書

1,443ページ

ば捨て給ふ、然るに此の国思いの外に悪鬼神の住家となれり哀なり哀なり。  又一代聖教を弘むる人多くおはせども是れ程の大事の法門をば伝教天台もいまだ仰せられず、其も道理なり末法の始の五百年に上行菩薩の出世あつて弘め給ふべき法門なるが故なり、相構へて・いかにしても此の度此の経を能く信じて命終の時・千仏の迎

1444新池御書

1,444ページ

こころえたる・しるしには僧を敬ひ法をあがめ仏を供養すべし、今は仏ましまさず解悟の智識を仏と敬ふべし争か徳分なからんや、後世を願はん者は名利名聞を捨てて何に賤しき者なりとも法華経を説かん僧を生身の如来の如くに敬ふべし、是れ正く経文なり。  今時の禅宗は大段・仁義礼智信の五常に背けり、有智の高徳をおそれ

1445船守弥三郎許御書

1,445ページ

 船守弥三郎許御書 弘長元年六月 四十歳御作  わざと使を以てちまきさけほしひさんせうかみしなじな給候い畢んぬ、又つかひ申され候は御かくさせ給へと申し上げ候へと日蓮心得申べく候、日蓮去る五月十二日流罪の時その津につきて候しに・いまだ名をもききをよびまいらせず候ところに・船よりあがりくるしみ候いき

1446船守弥三郎許御書

1,446ページ

はじ、いたきとかゆきとの如くあてがわせ給はんと・をもひ候いしについに病悩なをり・海中いろくづの中より出現の仏体を日蓮にたまわる事・此れ病悩のゆへなり、さだめて十羅刹女のせめなり、此の功徳も夫婦二人の功徳となるべし、我等衆生無始よりこのかた生死海の中にありしが・法華経の行者となりて無始色心・本是理性・

1447同一鹹味御書

1,447ページ

 同一鹹味御書  夫れ味に六種あり・一には淡・二には鹹・三には辛・四には酸・五には甘・六には苦なり、百味の餚膳を調ふといへども一つの鹹の味なければ大王の膳とならず、山海の珍物も鹹なければ気味なし、大海に八の不思議あり、一には漸漸に転深し・二には深くして底を得難し三には同じ一鹹の味なり・四には潮限

1448椎地四郎殿御書

1,448ページ

 椎地四郎殿御書 弘長元年四月 四十歳御作  先日御物語の事について彼の人の方へ相尋ね候いし処・仰せ候いしが如く少しもちがはず候いき、これにつけても・いよいよ・はげまして法華経の功徳を得給うべし、師曠が耳・離婁が眼のやうに聞見させ給へ、末法には法華経の行者必ず出来すべし、但し大難来りなば強盛の信

1449椎地四郎殿御書

1,449ページ

り・多宝如来はつなでを取り給へば・上行等の四菩薩は函蓋相応して・きりきりとこぎ給う所の船を如渡得船の船とは申すなり、是にのるべき者は日蓮が弟子・檀那等なり、能く能く信じさせ給へ、四条金吾殿に見参候はば能く能く語り給い候へ、委くは又又申すべく候、恐恐謹言。  四月二十八日 日 蓮 花押  椎地四郎殿え

1450弥三郎殿御返事

1,450ページ

八万なんどす、打ち見て候所はあら貴や貴やと見へ候へども・法華経を以て見進らせ候へば中中・日日に十悪を造る悪人よりは過重きは善人なり、悪人は何れの仏にも・よりまいらせ候はねば思い替る辺もなし、若し又善人とも成らば・法華経に付き進らする事もや有りなん、日本国の人人は何にも阿弥陀仏より釈迦仏・念仏よりも法

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日蓮大聖人御書

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