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1531南条殿御返事

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 南条殿御返事 建治二年三月 五十五歳御作  かたびら一つ・しをいちだ・あぶら五そう・給び候い了んぬ、ころもはかんをふせぎ又ねつをふせぐ・みをかくし・みをかざる、法華経の第七やくわうぼんに云く「如裸者得衣」等云云、心ははだかなるものの・ころもをへたるがごとし、もんの心はうれしき事をとかれて候。

1532南条殿御返事

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にんのよし・かたらせ給う・をうなごにてやあらんずらん・をのこごにてや候はんずらん、ゆくへをみざらん事くちおし、又かれが人となりて・ちちというものも・なからんなげき・いかがせんとをもへども・力及ばずとていでにき。  かくて月ひすぐれ・ことゆへなく生れにき・をのこごにてありけり、七歳のとし・やまでらにの

1533南条殿御返事

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え、をやは生きて候か・しにて候かと申して・いぬの時より法華経をはじめて・とらの時までに・よみければ・なにとなく・をさなきこへはうでんに・ひびきわたり・こころすごかりければ・まいりてありける人人も・かへらん事をわすれにき、皆人いちのやうに・あつまりてみければ・をさなき人にて法師ともをぼえず・をうなにて

1534南条殿御返事

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のちごに・とらせよとありしかば・ちごはしりをりて・なわをときけり、大はしの太郎は・わが子ともしらず・いかなる事ゆへに・たすかるともしらざりけり、さて大将殿又めして・このちごに・やうやうの御ふせたびて・ををはしの太郎をたぶのみならず、本領をも安堵ありけり。  大将殿をほせありけるは法華経の御事は昔より

1535南条殿御返事

1,535ページ

りあれば来るなり・いかにいうとも・かなうまじき事なり、失もなくして国をたすけんと申せし者を用いこそあらざらめ、又法華経の第五の巻をもつて日蓮がおもてをうちしなり、梵天・帝釈・是を御覧ありき、鎌倉の八幡大菩薩も見させ給いき、いかにも今は叶うまじき世にて候へば・かかる山中にも入りぬるなり、各各も不便とは

1536九郎太郎殿御返事

1,536ページ

る時の水にもすぎて候ひき、いかに・めづらしからずとは・あそばされて候ぞ、されば其には多く候か・あらこひしあらこひし、法華経・釈迦仏にゆづりまいらせ候いぬ、定めて仏は御志をおさめ給うなれば御悦び候らん、霊山浄土へまひらせ給いたらん時・御尋ねあるべし、恐恐謹言。  建治二年丙子九月十五日 日 蓮 花押

1537上野殿御返事

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 上野殿御返事 建治三年五月 五十六歳御作  五月十四日にいものかしら一駄・わざとおくりたびて候、当時のいもは人のいとまと申し珠のごとし・くすりのごとし、さてはおほせつかはされて候事うけ給わり候いぬ。  尹吉甫と申せし人は・ただ一人子あり・伯奇と申す、をやも賢なり・子もかしこし・いかなる人かこの

1538上野殿御返事

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なり。  さればはるり王と申せし王は阿闍世王にかたらはれ釈迦仏の御身したしき人数百人切りころす、阿闍世王は酔象を放ちて弟子を無量無辺ふみころさせつ、或は道に兵士をすへ・或は井に糞を入れ・或は女人をかたらひて・そら事いひつけて仏弟子をころす、舎利弗・目連が事にあひ・かるだいが馬のくそにうづまれし、仏は

1539上野殿御返事

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よらず天下第一の僻人にて候か・但経文計りにはあひて候やうなれば大難来り候へば父母のいきかへらせ給いて候よりもにくきもののことにあふよりも・うれしく候なり、愚者にて而も仏に聖人とおもはれまいらせて候はん事こそ・うれしき事にて候へ、智者たる上・二百五十戒かたくたもちて万民には諸天の帝釈をうやまふよりも・

1540上野殿御返事

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へにおもひきりて何事につけても・言をやわらげて法華経の信を・うすくなさんずる・やうを・たばかる人出来せば我が信心を・こころむるかと・おぼして各各これを御けうくんあるは・うれしき事なり、ただし御身のけうくんせさせ給へ、上の御信用なき事は・これにもしりて候を上をもつて・おどさせ給うこそをかしく候へ、参り

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日蓮大聖人御書

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