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221開目抄下
221ページ
者の為に一切の法は皆無自性・無生無滅・本来寂静・自性涅槃にして無自性の性なるに依り顕了の相を以て正法輪を転じ給う、第一甚だ奇にして最も為れ希有なり、今に世尊転じ給う所の法輪・無上無容にして是れ真の了義なり諸の諍論安足の処所に非ず」等云云、大般若経に云く「聴聞する所の世・出世の法に随つて皆能く方便して
222開目抄下
222ページ
蘇従り熟蘇を出し熟蘇従り醍醐を出す醍醐は最上なり、若し服すること有る者は衆病皆除き所有の諸薬も悉く其の中に入るが如し、善男子仏も亦是くの如し仏従り十二部経を出し十二部経従り修多羅を出し修多羅従り方等経を出し方等経従り般若波羅蜜を出し般若波羅蜜従り大涅槃を出す猶醍醐の如し醍醐と言うは仏性に喩う」等云云
223開目抄下
223ページ
日蓮は諸経の勝劣をしること華厳の澄観・三論の嘉祥・法相の慈恩・真言の弘法にすぐれたり、天台・伝教の跡をしのぶゆへなり、彼の人人は天台・伝教に帰せさせ給はずば謗法の失脱れさせ給うべしや、当世・日本国に第一に富める者は日蓮なるべし命は法華経にたてまつり名をば後代に留べし、大海の主となれば諸の河神・皆し
224開目抄下
224ページ
勧持品に云く「唯願くは慮したもうべからず仏滅度の後恐怖悪世の中に於て我等当に広く説くべし、諸の無智の人の悪口罵詈等し及び刀杖を加うる者有らん我等皆当に忍ぶべし、悪世の中の比丘は邪智にして心諂曲に未だ得ざるを為れ得たりと謂い我慢の心充満せん、或は阿練若に納衣にして空閑に在つて自ら真の道を行ずと謂つて
225開目抄下
225ページ
洹経に云く「阿羅漢に似たる一闡提有つて悪業を行ず、一闡提に似たる阿羅漢あつて慈心を作さん羅漢に似たる一闡提有りとは是の諸の衆生方等を誹謗するなり、一闡提に似たる阿羅漢とは声聞を毀呰し広く方等を説くなり衆生に語つて言く我れ汝等と倶に是れ菩薩なり所以は何ん一切皆如来の性有る故に然も彼の衆生一闡提なりと謂
226開目抄下
226ページ
に震動し雨ふらずして江河・井池の水まさり一切の草木に花さき菓なりたりけり不思議なりし事なり、昭王・大に驚き大史蘇由・占つて云く「西方に聖人生れたり」昭王問て云く「此の国いかん」答えて云く「事なし一千年の後に彼の聖言・此の国にわたつて衆生を利すべし」彼のわづかの外典の一毫未断見思の者・しかれども一千年
227開目抄下
227ページ
り法華一乗の機今正しく是其の時なり何を以て知ることを得る安楽行品に云く末世法滅の時なり」等云云、慧心の云く「日本一州円機純一なり」等云云、道綽と伝教と法然と慧心といづれ此を信ずべしや、彼は一切経に証文なし此れは正しく法華経によれり、其の上日本国・一同に叡山の大師は受戒の師なり何ぞ天魔のつける法然に心
228開目抄下
228ページ
一闡提に似たる阿羅漢とは声聞を毀呰して広く方等を説き衆生に語つて言く我汝等と倶に是れ菩薩なり所以は何ん一切皆如来の性有るが故に然かも彼の衆生は一闡提と謂わん」等云云、涅槃経に云く「我れ涅槃の後・像法の中に当に比丘有るべし持律に似像して少かに経典を読誦し飲食を貪嗜して其の身を長養せん袈裟を服ると雖も猶
229開目抄下
229ページ
て八邪と為し六入を用いて六通と為し四大を以つて四諦と為す、此くの如く経を解するは偽の中の偽なり何ぞ浅くして論ず可けんや」等云云、止観の七に云く「昔鄴洛の禅師名河海に播き住するときは四方雲の如くに仰ぎ去るときは阡陌群を成し隠隠轟轟亦何の利益か有る、臨終に皆悔ゆ」等云云、弘の七に云く「鄴洛の禅師とは鄴は
230開目抄下
230ページ
仏語むなしからざれば三類の怨敵すでに国中に充満せり、金言のやぶるべきかのゆへに法華経の行者なし・いかがせん・いかがせん、抑たれやの人か衆俗に悪口罵詈せらるる誰の僧か刀杖を加へらるる、誰の僧をか法華経のゆへに公家・武家に奏する・誰の僧か数数見擯出と度度ながさるる、日蓮より外に日本国に取り出さんとする
日蓮大聖人御書
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開目抄下 221ページ
者の為に一切の法は皆無自性・無生無滅・本来寂静・自性涅槃にして無自性の性なるに依
開目抄下 222ページ
蘇従り熟蘇を出し熟蘇従り醍醐を出す醍醐は最上なり、若し服すること有る者は衆病皆除
開目抄下 223ページ
日蓮は諸経の勝劣をしること華厳の澄観・三論の嘉祥・法相の慈恩・真言の弘法にすぐ
開目抄下 224ページ
勧持品に云く「唯願くは慮したもうべからず仏滅度の後恐怖悪世の中に於て我等当に広
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洹経に云く「阿羅漢に似たる一闡提有つて悪業を行ず、一闡提に似たる阿羅漢あつて慈心
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に震動し雨ふらずして江河・井池の水まさり一切の草木に花さき菓なりたりけり不思議な
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り法華一乗の機今正しく是其の時なり何を以て知ることを得る安楽行品に云く末世法滅の
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一闡提に似たる阿羅漢とは声聞を毀呰して広く方等を説き衆生に語つて言く我汝等と倶に
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て八邪と為し六入を用いて六通と為し四大を以つて四諦と為す、此くの如く経を解するは
開目抄下 230ページ
仏語むなしからざれば三類の怨敵すでに国中に充満せり、金言のやぶるべきかのゆへに
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