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281撰時抄

281ページ

だ世俗と勝義との不二を説いて未だ真言密印の事を説かざる故に、二には事理倶密教謂く大日経金剛頂経蘇悉地経等なり亦世俗と勝義との不二を説き亦真言密印の事を説く故に」等云云、釈の心は法華経と真言の三部との勝劣を定めさせ給うに真言の三部経と法華経とは所詮の理は同じく一念三千の法門なり、しかれども密印と真言等

282撰時抄

282ページ

口伝を信ずること莫れ」等云云、此等の経論釈のごときんば夢を本にはすべからずただついさして法華経と大日経との勝劣を分明に説きたらん経論の文こそたいせちに候はめ、但印真言なくば木画の像の開眼の事・此れ又をこの事なり真言のなかりし已前には木画の開眼はなかりしか、天竺・漢土・日本には真言宗已前の木画の像は或

283撰時抄

283ページ

の嶋嶋へ調伏しやりまいらせ候いぬ、結句は野干のなきの身にをうなるやうに還著於本人の経文にすこしもたがはず叡山の三千人かまくらにせめられて一同にしたがいはてぬ、しかるに今はかまくらの世さかんなるゆへに東寺・天台・園城・七寺の真言師等と並びに自立をわすれたる法華宗の謗法の人人・関東にをちくだりて頭をかた

284撰時抄

284ページ

は候はず、此の名号を弘通する人は慧心は往生要集をつくる日本国・三分が一は一同の弥陀念仏者・永観は十因と往生講の式をつくる扶桑三分が二分は一同の念仏者・法然せんちやくをつくる本朝一同の念仏者、而れば今の弥陀の名号を唱うる人人は一人が弟子にはあらず、此の念仏と申すは雙観経・観経・阿弥陀経の題名なり権大乗

285撰時抄

285ページ

をしるべからずといえども汝等にほぼこれをさとさん、彼の周の平王の時・禿にして裸なる者出現せしを辛有といゐし者うらなつて云く百年が内に世ほろびん同じき幽王の時山川くづれ大地ふるひき白陽と云う者勘えていはく十二年の内に大王事に値せ給うべし、今の大地震・大長星等は国王・日蓮をにくみて亡国の法たる禅宗と念仏

286撰時抄

286ページ

りて火内従り生じ須臾も焼滅せんには灰燼をも余す無きが如し」等云云、蓮華面経に云く「仏阿難に告わく譬えば師子の命終せんに若しは空若しは地若しは水若しは陸所有の衆生敢て師子の身の宍を食わず唯師子自ら諸の虫を生じて自ら師子の宍を食うが如し阿難我が之の仏法は余の能く壊るに非ず是れ我法の中の諸の悪比丘我が三大

287撰時抄

287ページ

の神寺をばなげすてて各各声をつるべて南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経と唱え掌を合せてたすけ給え、日蓮の御房・日蓮の御房とさけび候はんずるにや、例せば月支のいう大族王は幻日王に掌をあはせ日本の宗盛はかぢわらをうやまう、大慢のものは敵に随うという・このことわりなり、彼の軽毀大慢の比丘等は始めには杖木をとと

288撰時抄

288ページ

気色いかりすくなからず・きうに見へて候よも今年はすごし候はじと語りたりき、此の三つの大事は日蓮が申したるにはあらず只偏に釈迦如来の御神・我身に入りかわせ給いけるにや我が身ながらも悦び身にあまる法華経の一念三千と申す大事の法門はこれなり、経に云く所謂諸法如是相と申すは何事ぞ十如是の始の相如是が第一の大

289撰時抄

289ページ

を御用いなからんこそ本意にあらざるに、あまさへ召し出して法華経の第五の巻を懐中せるをとりいだしてさんざんとさいなみ、結句はこうぢをわたしなんどせしかば申したりしなり、日月天に処し給いながら日蓮が大難にあうを今度かわらせ給はずば一つには日蓮が法華経の行者ならざるか忽に邪見をあらたむべし、若し日蓮・法華

290撰時抄

290ページ

山のごとし日本国にわたらせ給える法華経は須弥山のごとし。  又云く「能く是の経典を受持すること有らん者も、亦復是くの如し、一切衆生の中に於て亦これ第一なり」等云云、此の経文をもつて案ずるに華厳経を持てる普賢菩薩・解脱月菩薩等・竜樹菩薩・馬鳴菩薩・法蔵大師・清涼国師・則天皇后・審祥大徳・良弁僧正・聖武

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日蓮大聖人御書

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