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351下山御消息

351ページ

もしれ、弘法大師の祈雨の時二七日の間一雨も下らざりしもあやしき事なり、而るを誑惑の心強盛なりし人なれば天子の御祈雨の雨を盗み取て我が雨と云云、善無畏三蔵・金剛智三蔵・不空三蔵の祈雨の時も小雨は下たりしかども三師共に大風連連と吹いて勅使をつけてをはれしあさましさと、天台大師・伝教大師の須臾と三日が間に

352下山御消息

352ページ

蓮は阿弥陀仏の怨敵・父母の建立の堂塔の讎敵なれば仮令政道をまげたりとも仏意には背かじ天神もゆるし給うべしとをもはるるか、はかなしはかなし委細にかたるべけれども此れは小事なれば申さず心有らん者推して知んぬべし、上に書挙るより雲泥大事なる日本第一の大科此の国に出来して年久くなる間、此の国既に梵釈・日月・

353下山御消息

353ページ

三千の法門を盗み入れて人の珍宝を我が有とせる大誑惑の者なりと心得給へり、例せば澄観法師が天台大師の十法成乗の観法を華厳に盗み入れて還つて天台宗を末教と下せしが如しと御存知あて宗の一字を削りて叡山は唯七宗たるべしと云云、而るを弘法大師と申し天下第一の自讃毀他の大妄語の人、教大師御入滅の後対論なくして公

354下山御消息

354ページ

剋上して王位も臣下に随うべかりしを其の時又一類の学者有りて堅く此の法門を諍論せし上座主も両方を兼ねて事いまだきれざりしかば世も忽にほろびず有りけるか、例せば外典に云く「大国には諍臣七人・中国には五人・小国には三人・諍論すれば仮令政道に謬誤出来すれども国破れず乃至家に諫子あれば不義におちず」と申すが如

355下山御消息

355ページ

驚いて粗内典五千七千外典三千等を引き見るに先代にも希なる天変地夭なり、然而儒者の家には記せざれば知る事なし仏法は自迷なればこころへず此の災夭は常の政道の相違と世間の謬誤より出来せるにあらず定めて仏法より事起るかと勘へなしぬ、先ず大地震に付て去る正嘉元年に書を一巻注したりしを故最明寺の入道殿に奉る御尋

356下山御消息

356ページ

愛身命但惜無上道と誓へり、加刀杖瓦石数数見擯出の文に任せて流罪せられ刀のさきにかかりなば法華経一部よみまいらせたるにこそとおもひきりてわざと不軽菩薩の如く覚徳比丘の様に竜樹菩薩・提婆菩薩・仏陀密多・師子尊者の如く弥強盛に申しはる、今度・法華経の大怨敵を見て経文の如く父母・師匠・朝敵・宿世の敵の如く散

357下山御消息

357ページ

蓮がにくさに国をかへ身を失はんとせらるるか魯の哀公が忘事の第一なる事を記せらるるには移宅に妻をわすると云云、孔子の云く身をわするる者あり国主と成りて政道を曲ぐる是なり云云、将又国主は此の事を委細には知らせ給はざるか、いかに知らせ給はずとのべらるるとも法華経の大怨敵と成給いぬる重科は脱るべしや、多宝・

358下山御消息

358ページ

の国を睨みさせ給うか今年は一定寄せぬと覚ふ若し寄するならば一人も面を向う者あるべからず此れ又天の責なり、日蓮をばわどのばらが用いぬ者なれば力及ばず、穴賢穴賢・真言師等に調伏行わせ給うべからず若し行わするほどならいよいよ悪かるべき由申付けてさて帰りてありしに上下共に先の如く用いざりげに有る上本より存知

359下山御消息

359ページ

法の如く修行すとも法華経の行者を恥辱せん者と此れ等の諸人を指しつめて其人命終入阿鼻獄と定めさせ給いしなり、此の事はただ釈迦一仏の仰なりとも、外道にあらずば疑うべきにてはあらねども已今当の諸経の説に色をかへて重き事をあらはさんがために宝浄世界の多宝如来は自はるばる来給いて証人とならせ給う、釈迦如来の先

360下山御消息

360ページ

たる観音勢至に捨てられて西方世界へは還り給はず此の世界に留りて法華経の行者を守護せんとありしかば此の世界の内・欲界第四の兜率天・弥勒菩薩の所領の内・四十九院の一院を給いて阿弥陀院と額を打つておはするとこそうけ給はれ、其の上・阿弥陀経には仏・舎利弗に対して凡夫の往生すべき様を説き給ふ、舎利弗・舎利弗・

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日蓮大聖人御書

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