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31立正安国論

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 客則ち席を避け襟を刷いて曰く、仏教斯く区にして旨趣窮め難く不審多端にして理非明ならず、但し法然聖人の選択現在なり諸仏・諸経・諸菩薩・諸天等を以て捨閉閣抛と載す、其の文顕然なり、玆れに因つて聖人国を去り善神所を捨てて天下飢渇し世上疫病すと、今主人広く経文を引いて明かに理非を示す、故に妄執既に飜えり耳

32立正安国論

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就中人の世に在るや各後生を恐る、是を以て或は邪教を信じ或は謗法を貴ぶ各是非に迷うことを悪むと雖も而も猶仏法に帰することを哀しむ、何ぞ同じく信心の力を以て妄りに邪義の詞を宗めんや、若し執心飜らず亦曲意猶存せば早く有為の郷を辞して必ず無間の獄に堕ちなん、所以は何ん、大集経に云く「若し国王有つて無量世に於

33立正安国論

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重く毀法の罪誠に深し、我一仏を信じて諸仏を抛ち三部経を仰いで諸経を閣きしは、是れ私曲の思に非ず則ち先達の詞に随いしなり、十方の諸人も亦復是くの如くなるべし、今の世には性心を労し来生には阿鼻に堕せんこと文明かに理詳かなり疑う可からず、弥よ貴公の慈誨を仰ぎ益愚客の癡心を開けり、速に対治を回して早く泰平を

34安国論御勘由来

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古最明寺入道殿に奏進し了んぬ此れ偏に国土の恩を報ぜんが為なり、其勘文の意は日本国・天神七代・地神五代・百王百代・人王第卅代欽明天皇の御宇に始めて百済国より仏法此の国に渡り桓武天皇の御宇に至つて其の中間五十余代・二百六十余年なり、其の間一切経並びに六宗之れ有りと雖も天台真言の二宗未だ之れ有らず、桓武の

35安国論御勘由来

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年甲子七月五日彗星東方に出で余光大体一国土に及ぶ、此れ又世始まりてより已来無き所の凶瑞なり内外典の学者も其の凶瑞の根源を知らず、予弥よ悲歎を増長す、而るに勘文を捧げて已後九ケ年を経て今年後の正月大蒙古国の国書を見るに日蓮が勘文に相叶うこと宛かも符契の如し、仏記して云く「我が滅度の後一百余年を経て阿育

36守護国家論

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 守護国家論 正元元年 三十八歳御作  夫れ以んみれば偶十方微塵の三悪の身を脱れて希に閻浮日本の爪上の生を受け亦閻浮日域・爪上の生を捨てて十方微塵・三悪の身を受けんこと疑い無き者なり、然るに生を捨てて悪趣に堕つるの縁・一に非ず或は妻子眷属の哀憐に依り或は殺生悪逆の重業に依り或は国主と成つて民衆の

37守護国家論

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 此の悪義を破らんが為に亦多くの書有り所謂・浄土決義鈔・弾選択・摧邪輪等なり、此の書を造る人・皆碩徳の名一天に弥ると雖も恐くは未だ選択集謗法の根源を顕わさず故に還つて悪法の流布を増す、譬えば盛なる旱颰の時に小雨を降せば草木弥枯れ兵者を打つ刻に弱兵を先んずれば強敵倍力を得るが如し。  予此の事を歎く間

38守護国家論

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大自在天並に余の諸の天衆・眷属百千万・恭敬合掌し礼して我に転法輪を請ず」と此等の説は法華経に華厳経の時を指す文なり、故に華厳経の第一に云く毘沙門天王略月天子略日天子略釈提桓因略大梵略摩醯首羅等略已上。  涅槃経に華厳経の時を説いて云く「既に成道し已つて梵天勧請すらく唯願わくば如来当に衆生の為に広く甘

39守護国家論

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立つることは私の義に非ず無量義経・涅槃経の文に顕然たり、阿含の証果は一向小乗なり次に大乗を説く方等より已後皆大乗と云うと雖も大乗の始なるが故に初に従つて方等部を方等と云うなり、例せば十八界の十半は色なりと雖も初に従つて色境の名を立つるが如し。  問うて云く方等部の諸経の後に何の経を説き給うや、答えて

40守護国家論

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るや、答えて云く普賢経に云く「卻て後・三月我当に般涅槃すべし」涅槃経三十に云く「如来何が故ぞ二月に涅槃し給うや、亦・如来は初生・出家・成道・転法輪皆八日を以てす何ぞ仏の涅槃独り十五日なるやと云う」と大部の経大概是くの如し此より已外諸の大小乗経は次第不定なり、或は阿含経より已後に華厳経を説き法華経より

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日蓮大聖人御書

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