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61守護国家論

61ページ

閉ず一度開て以後永く閉じざるは唯・是れ念仏の一門なり」已上最後の述懐に云く「夫れ速に生死を離れんと欲せば二種の勝法の中に且らく聖道門を閣いて撰んで浄土門に入れ浄土門に入らんと欲せば正雑二行の中に且らく諸の雑行を抛つて撰んで応に正行に帰すべし」已上門弟此の書を伝えて日本六十余州に充満するが故に門人・世

62守護国家論

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謗の由を聞かしむるなり、抑此の義を立つる者は選択集の法華真言等に於て失を付け捨閉閣抛・群賊邪見悪見邪雑人・千中無一等の語を見ざるや否や。  第二に正しく謗法人の王地に処るを対治す可き証文を出さば、涅槃経第三に云く「懈怠にして戒を破し正法を毀る者をば王者・大臣・四部の衆応に苦治すべし善男子是の諸の国王

63守護国家論

63ページ

我弟子真の声聞なり」已上。  予仏弟子の一分に入らんが為に此の書を造り謗法の失を顕わし世間に流布す願わくば十方の仏陀此の書に於て力を副え大悪法の流布を止め一切衆生の謗法を救わしめたまえ。  大文の第五に善知識並に真実の法に値い難きことを明さば之に付いて三有り、一には受け難き人身値い難き仏法なることを

64守護国家論

64ページ

此の文の如くんば法華涅槃を信ぜずして一闡提と作るは十方の土の如く法華涅槃を信ずるは爪上の土の如し・此の経文を見て弥感涙押え難し今日本国の諸人を見聞するに多分は権教を行ず設い身口は実教を行ずと雖も心には亦権教を存ず。  故に天台大師摩訶止観の五に云く「其の癡鈍なる者は毒気深く入つて本心を失う故に既に其

65守護国家論

65ページ

 第二に受け難き人身を受け値い難き仏法に値うと雖も悪知識に値うが故に三悪道に堕することを明さば仏蔵経に云く「大荘厳仏の滅後に五比丘あり一人は正道を知つて多億の人を度し四人は邪見に住す此四人命終の後阿鼻地獄に堕つ仰ぎ伏し伏に臥し左脇に臥し右脇に臥すこと各九百万億歳なり、乃至・若し在家出家の此の人に親近

66守護国家論

66ページ

三趣に至る是の悪象等は但身の怨と為り悪知識は善法の怨と為らん是の故に菩薩常に当に諸の悪知識を遠離すべし」已上。  請い願わくば今の世の道俗設い此の書を邪義と思うと雖も且らく此の念を抛つて十住毘婆沙論を開き其の難行の内に法華経の入不入を撿がえ選択集の準之思之の四字を案じて後に是非を致せ謬つて悪知識を信

67守護国家論

67ページ

其の前に涌現し為に証明を為さん」已上此の文の意は我等法華の名号を唱えて多宝如来本願の故に必ず来りたまう、又云く「諸仏の十方世界に在つて法を説くを尽く還し一処に集めたまう」已上釈迦多宝十方の諸仏・普賢菩薩等は我等が善知識なり若し此の義に依らば我等は亦宿善・善財・常啼・班足等にも勝れたり彼は権経の知識に

68守護国家論

68ページ

前に始めて仏菩薩二乗立ち給う此の時に二乗菩薩始めて成仏し凡夫も始めて往生す、此の故に在世滅後の一切衆生の誠の善知識は法華経是なり、常途の天台宗の学者は爾前に於て当分の得道を許せども自義に於ては猶当分の得道を許さず然りと雖も此の書に於ては其の義を尽くさず略して之を記すれば追つて之を記すべし。  大文の

69守護国家論

69ページ

し讃歎すべし」已上。  問うて云く今の世の道俗偏に選択集に執して法華涅槃に於ては自身不相応の念を作すの間・護惜建立の心無く偶邪義の由を称する人有れば念仏誹謗の者と称して悪名を天下に雨らす斯れ等は如何、答えて云く自答を存す可きに非ず仏自ら此の事を記して云く、仁王経に云く「大王我が滅度の後・未来世の中の

70守護国家論

70ページ

語是なり「其王不別信聴此語」とは今の世の道俗邪義を弁えずして猥りに之を信ずるなり。  請い願わくば道俗法の邪正を分別して其の後正法に就て後世を願え今度人身を失い三悪道に堕して後に後悔すとも何ぞ及ばん。  第二に但法華経の題目計りを唱えて三悪道を離る可きことを明さば、法華経の第五に云く「文殊師利是の法

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日蓮大聖人御書

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