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761御義口伝巻下

761ページ

の事理の顕本を一念に信解するなり、一念とは無作本有の一念なり、此くの如く信解する人の功徳は限量有る事有る可からざるなり、信の処に解あり解の処に信あり然りと雖も信を以て成仏を決定するなり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者是なり云云。 第二是則能信受如是諸人等頂受此経典の事 御義口伝に云く法華経

762御義口伝巻下

762ページ

法蓮華経なり、是に随い喜ぶを随喜とは云うなり惣じて随とは信の異名なり云云、唯信心の事を随と云うなりされば二巻には随順此経非己智分と説かれたり云云。 第二口気無臰穢優鉢華之香常従其口出の事 御義口伝に云く口気とは題目なり、無臰穢とは弥陀等の権教方便無得道の教を交えざるなり、優鉢華之香とは法華経なり、末

763御義口伝巻下

763ページ

第三又如浄明鏡の事 御義口伝に云く法華経に鏡の譬を説く事此の明文なり、六根清浄の人は瑠璃明鏡の如く三千世界を見ると云う経文なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者は明鏡に万像を浮ぶるが如く知見するなり、此の明鏡とは法華経なり別しては宝塔品なり、又は我が一心の明鏡なり、所詮瑠璃と明鏡との二の譬を

764御義口伝巻下

764ページ

御義口伝に云く常の字は三世の不軽の事なり、不軽とは一切衆生の内証所具の三因仏性を指すなり仏性とは法性なり法性とは妙法蓮華経なり云云。 第二得大勢菩薩の事 御義口伝に云く得とは応身なり大とは法身なり勢とは報身なり、又得とは仮諦なり大とは中道なり勢とは空諦なり円融の三諦三身なり。 第三威音王の事 御義口

765御義口伝巻下

765ページ

御義口伝に云く上の凡有所見の見は内証所具の仏性を見るなり、此れは理なり遠見の見は四衆と云う間・事なり仍つて上は心法を見る今は色法を見る色法は本門の開悟四一開会なり、心法を見るは迹門の意又四一開会なり、遠の一字は寿量品の久遠なり故に故往礼拝といえり云云。 第八心不浄者の事 御義口伝に云く謗法の者は色心

766御義口伝巻下

766ページ

い南無妙法蓮華経と呼ばわる所の折伏なり云云。 第十二常不軽菩薩豈異人乎則我身是の事 御義口伝に云く過去の不軽菩薩は今日の釈尊なり、釈尊は寿量品の教主なり寿量品の教主とは我等法華経の行者なり、さては我等が事なり今日蓮等の類は不軽なり云云。 第十三常不値仏不聞法不見僧の事 御義口伝に云く此の文は不軽菩薩

767御義口伝巻下

767ページ

して動かざること無きが如し」等と釈する此の意なり、妙楽大師は「略して経題を挙ぐるに玄に一部を収む」と、此等を心得ざる者は末法の弘通に足らざる者なり。 第十六此品の時の不軽菩薩の体の事 御義口伝に云く不軽菩薩とは十界の衆生なり、三世常住の礼拝の行を立つるなり吐く所の語言は妙法の音声なり、獄卒が杖を取つ

768御義口伝巻下

768ページ

第二十我本行菩薩道の文礼拝住処の事 御義口伝に云く我とは本因妙の時を指すなり、本行菩薩道の文は不軽菩薩なり此れを礼拝の住処と指すなり。 第廿一生老病死礼拝住処の事 御義口伝に云く一切衆生生老病死を厭離せず無常遷滅の当体に迷うに依つて後世菩提を覚知せざるなり、此を示す時煩悩即菩提生死即涅槃と教うる当体

769御義口伝巻下

769ページ

第廿五実報土礼拝住処の事 御義口伝に云く実報土は竪の時は菩薩の住処なり、仍つて不軽菩薩の住処を実報土と定めて此にて礼拝行を立て給う間・実報土は礼拝の住処なり云云。 第廿六慈悲の二字礼拝住処の事 御義口伝に云く不軽礼拝の行は皆当作仏と教うる故に慈悲なり、既に杖木瓦石を以て打擲すれども而強毒之するは慈悲

770御義口伝巻下

770ページ

第卅礼拝住処忍辱地の事 御義口伝に云く既に上慢の四衆罵詈瞋恚を成して虚妄の授記と謗ずと云えども不生瞋恚と説く間忍辱地に住して礼拝の行を立つるなり云云、初の一の住処は世流布の学者知れり後の十三箇所は当世の学者知らざる事なり云云。 已上十四箇条の礼拝の住処なり云云。  神力品八箇の大事 第一妙法蓮華経如

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