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831御講聞書

831ページ

切衆生なり、所詮末法に入つて此珠とは南無妙法蓮華経なり、貧人とは日本国の一切衆生なり、此の題目を唱え奉る者は心大歓喜せり、されば見宝塔と云うと見此珠とは同じ事なり所詮此珠とは我等衆生の一心なり、一念三千なり此の経に値い奉る時、一念三千と開くを珠を見るとは云うなり、此の珠は広く一切衆生の心法なり此の珠

832御講聞書

832ページ

ち不思議なり、此の重を不死とは云うなり、甘露と妙とは同じ事なり、然らば法界の儘に閣いて妙法なりと説くを本法とも甘露とも云えり、火は水にきゆる本法にして不死なり、十界己己の当位・当位の振舞・常住本有なるを甘露とも妙法とも不思議とも本法とも止観とも云えり、所詮末法に入つて甘露とは南無妙法蓮華経なり、見灌

833御講聞書

833ページ

を切るに非ずや何に況や持たんをや、伝教大師云く法華経を讃むると雖も還つて法華の心を死すとは是なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る人は、読持此経の人なり、豈是真仏子に非ずや淳善地は寂光土に非ずや、是真仏子の子の字は十界の衆生なり、所詮此の子の字は法華経の行者に限る、悉是吾子の子は孝不孝を分別せ

834御講聞書

834ページ

法なり信心の水に妙法蓮華は生長せり、地とは我等衆生の心地なり涌出とは広宣流布の時一閻浮提の一切衆生・法華経の行者となるべきを涌出とは云うなり云云。 一願仏為未来演説令開解の事 仰に云く此の文は弥勒菩薩等末法当今の為に我従久遠来教化是等衆の言を演説令開解せしめ給えと請じ奉る経文なり、此の請文に於て寿量

835御講聞書

835ページ

一一念信解の事 仰に云く此の経文は一念三千の宝珠を納めたる函なり此れは現在の四信の初の一念信解なり、さて滅後の五品の初の十心具足初随喜品も一念三千の宝を積みたる函なり、法華経の骨髄・末法に於て法華経の行者の修行の相貌分明なり、所詮信と随喜とは心同じなり随喜するは信心なり信心するは随喜なり一念三千の法

836御講聞書

836ページ

華経を以て父母とし給えり、此の故に四聖を供養するよりも法華経を持つは勝れたり、七宝は世間の財宝なり、四聖は滅に帰する仏菩薩羅漢なり、さて妙法の功徳は一得永不失なれば朽失せざる功徳なり、此の故に勝れたり云云。 一妙音菩薩の事 仰に云く妙音菩薩とは、十界の語言音声なり、此の音声悉く慈悲なり、菩薩とは是れ

837御講聞書

837ページ

能持即持仏身とまじないたるなり、釈に云く陀羅尼とは諸仏の密号と判ぜり、所詮法華折伏破権門理の義遮悪持善の義なり云云。 一六万八千人の事 仰に云く六とは六根なり、万とは六根に具わる処の煩悩なり八とは八苦の煩悩なり千とは八苦に具足する煩悩なり、是れ即ち法華経に値い奉りて六万八千の功徳の法門と顕るるなり、

838御講聞書

838ページ

一題目の五字末法に限つて持つ可きの事 仰に云く経に云く、悪世末法時・能持是経者文、此の経とは題目の五字なり、能の一字に心を留めて之れを案ずべし云云、末代悪世・日本国の一切衆生に持てと云う経文なり云云。 一天台云く是我弟子応弘我法の事 仰に云く我が弟子とは上行菩薩なり我が法とは南無妙法蓮華経なり、権教

839御講聞書

839ページ

有るは・うしをの大海にあるが如く生きたる人の如し、法華経を浅く信ずるは・あわのうしをの如し、深く信ずるは、海水の如し、あわはきえやすし、海水は消えざるなり、如説修行最も以て大切なり、然りと雖も、諸経の大河の極深なるも、大海のあわのしをの味をば具足せず、権教の仏は法華経の理即の凡夫には百千万倍劣るなり

840御講聞書

840ページ

けり、相構え相構えて無明の悪酒を恐るべきなり云云。 一日蓮己証の事 仰に云く寿量品の南無妙法蓮華経是れなり、地涌千界の出現・末代の当世の別付属の妙法蓮華経の五字を一閻浮提の一切衆生に取次ぎ給うべき仏勅使の上行菩薩なり云云、取次とは取るとは釈尊より上行菩薩の手へ取り給うさて上行菩薩又末法当今の衆生に取

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日蓮大聖人御書

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