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81災難対治抄

81ページ

丘は邪智にして心諂曲に未だ得ざるをこれ得たりと謂い我慢の心充満せん是の人悪心を懐き国王・大臣・婆羅門・居士及び余の諸の比丘に向つて誹謗して我が悪を説いて是れ邪見の人・外道の論議を説くと謂わん悪鬼其の身に入る」等と云云。  此等の文を以て之を思うに諸の悪比丘国中に充満して破国・破仏法の因縁を説く国王並

82災難対治抄

82ページ

ざるより之起れり十悪五逆は愚者皆罪為ることを知る故に輙く破国・破仏法の因縁を成ぜず、故に仁王経に云く「其の王別えずして此の語を信聴す」と、涅槃経に云く「若し四重を犯し五逆罪を作り自ら定めて是くの如き重事を犯すと知り而も心に初より怖畏・懺悔無くして肯て発露せず」已上。  此くの如き等の文は謗法の者は自

83災難対治抄

83ページ

行を執せんや行者能く之を思量せよと。  又云く貞元入蔵録の中・始め大般若経六百巻より法常住経に終るまで顕密の大乗経総じて六百三十七部二千八百八十三巻なり皆須く読誦大乗の一句に摂すべし当に知るべし随他の前には暫く定散の門を開くと雖も随自の後には還つて定散の門を閉づ一たび開きて以後永く閉じざるは唯是れ念

84災難対治抄

84ページ

せず其の国に当に種種の災禍有るべし」涅槃経に云く「無上の大涅槃経を憎悪す」等と云云、豈弥陀より外の諸仏諸経等を供養し礼拝し讃歎するを悉く雑行と名くると云うに当らざらんや、難じて云く仏法已前国に於て災難有るは何ぞ謗法の者の故ならんや、答えて云く仏法已前に五常を以て国を治むるは遠く仏誓を以て国を治むるな

85災難対治抄

85ページ

無く六親不和にして天神祐けず疾疫悪鬼日に来りて侵害し災怪首尾し連禍せん」と、涅槃経に云く「若し是の経典を信ぜざる者有らば若は臨終の時或は荒乱に値い刀兵競い起り帝王の暴虐・怨家の讎隙に侵逼せられん」已上、順次生業は法華経に云く「若し人信ぜずして此の経を毀謗せば其の人命終して阿鼻獄に入らん」と、仁王経に

86災難対治抄

86ページ

此の災難の起る由を勘う可きか若し爾からざれば弥亦重ねて災難起る可きか、愚勘是くの如し取捨は人の意に任す。

87念仏者追放宣旨事

87ページ

 日蓮不肖なりと雖も且は天下の安寧を思うが為・且は仏法の繁昌を致さんが為に強ちに先賢の語を宣説し称名の行を停廃せんと欲し又愚懐の勘文を添え頗る邪人の慢幢を倒さんとす、勘注の文繁くして見難し知り易からしめんが為に要を取り諸を省き略して五篇を列ぬ、委細の旨は広本に在くのみ。  奏状篇詮を取りて之を注す委

88念仏者追放宣旨事

88ページ

和尚・宇佐の宮に参るに釈迦三尊の影・月の如くに顕れ仲算大徳・熊野山に詣るに飛滝千仭の水・簾の如くに巻く、凡そ行基・護命・増利・聖宝・空海・最澄・円珍等は皆神社に於て新に霊異を感ず是くの若きは源空に及ばざるの人か又魔界に堕つ可きの類か之を略す。  山門の奏状に云く。 一、一向専修の党類・神明に向背する

89念仏者追放宣旨事

89ページ

仏の曲を聞くに理世撫民の音に背き已に哀慟の響を成す是れ亡国の音なる可し是四、已上奏状。  山門の奏状詮を取る此の如し。  又大和の荘の法印俊範・宝地房の法印宗源・同坊の永尊竪者後に僧都と云う並に題者なり等源空が門徒を対治せんが為に各各子細を述ぶ其の文広本に在り、又諸宗の明徳面面に書を作りて選択集を破

90念仏者追放宣旨事

90ページ

人申す相尋ね申さしめ給う可きの由殿下の御気色候う所なり仍つて執達件の如し。  嘉禄三年十月二十日 参議範輔在り判  修理権亮殿  関東より宣旨の御返事  隆寛律師の事、右大弁宰相家の御奉書披露候い畢んぬ、件の律師去る七月の比・下向せしむ鎌倉近辺に経回すると雖も京都の制符に任せ念仏者を追放せらるるの間

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日蓮大聖人御書

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