御書本文

日妙聖人御書
1,217ページ

えたり・一切まがられる・ゆへなり、而るに法華経は・正直捨方便等・皆是真実等・質直意柔輭等・柔和質直者等と申して正直なる事・弓の絃のはれるがごとく・墨のなはを・うつがごとくなる者の信じまいらする御経なり、糞を栴檀と申すとも栴檀の香なし、妄語の者を不妄語と申すとも不妄語にはあらず、一切経は皆仏の金口の説・不妄語の御言なり、然れども法華経に対し・まいらすれば妄語のごとし・綺語のごとし・悪口のごとし・両舌のごとし、此の御経こそ実語の中の実語にて候へ、実語の御経をば・正直の者心得候なり、今実語の女人にて・おはすか、当に知るべし須弥山をいただきて大海をわたる人をば見るとも此の女人をば見るべからず、砂をむして飯となす人をば見るとも此の女人をば見るべからず、当に知るべし釈迦仏・多宝仏・十方分身の諸仏・上行・無辺行等の大菩薩・大梵天王・帝釈・四王等・此女人をば影の身に・そうがごとく・まほり給うらん、日本第一の法華経の行者の女人なり、故に名を一つつけたてまつりて不軽菩薩の義になぞらへん・日妙聖人等云云。
 相州鎌倉より北国佐渡の国・其の中間・一千余里に及べり、山海はるかに・へだて山は峨峨・海は濤濤・風雨・時にしたがふ事なし、山賊・海賊・充満せり、宿宿とまり・とまり・民の心・虎のごとし・犬のごとし、現身に三悪道の苦をふるか、其の上当世は世乱れ去年より謀叛の者・国に充満し今年二月十一日合戦、其れより今五月のすゑ・いまだ世間安穏ならず、而れども一の幼子あり・あづくべき父も・たのもしからず・離別すでに久し。
 かた・がた筆も及ばず心弁へがたければとどめ畢んぬ。
 文永九年太歳壬申五月二十五日 日 蓮花押
 日妙聖人

この御書の最初のページ前のページ
タイトル 聖寿 対告衆 述作地
日妙聖人御書 51   佐渡

日蓮大聖人御書

検索結果詳細 御書本文

日妙聖人御書 1,217ページ

えたり・一切まがられる・ゆへなり、而るに法華経は・正直捨方便等・皆是真実等・質直意柔輭等・柔和質直者等と申して正直なる事・弓の絃のはれるがごとく・墨のなはを・うつがごとくなる者の信じまいらする御経なり、糞を栴檀と申すとも栴檀の香なし、妄語の者を不妄語と申すとも不妄語にはあらず、一切経は皆仏の金口の説・不妄語の御言なり、然れども法華経に対し・まいらすれば妄語のごとし・綺語のごとし・悪口のごとし・両舌のごとし、此の御経こそ実語の中の実語にて候へ、実語の御経をば・正直の者心得候なり、今実語の女人にて・おはすか、当に知るべし須弥山をいただきて大海をわたる人をば見るとも此の女人をば見るべからず、砂をむして飯となす人をば見るとも此の女人をば見るべからず、当に知るべし釈迦仏・多宝仏・十方分身の諸仏・上行・無辺行等の大菩薩・大梵天王・帝釈・四王等・此女人をば影の身に・そうがごとく・まほり給うらん、日本第一の法華経の行者の女人なり、故に名を一つつけたてまつりて不軽菩薩の義になぞらへん・日妙聖人等云云。
 相州鎌倉より北国佐渡の国・其の中間・一千余里に及べり、山海はるかに・へだて山は峨峨・海は濤濤・風雨・時にしたがふ事なし、山賊・海賊・充満せり、宿宿とまり・とまり・民の心・虎のごとし・犬のごとし、現身に三悪道の苦をふるか、其の上当世は世乱れ去年より謀叛の者・国に充満し今年二月十一日合戦、其れより今五月のすゑ・いまだ世間安穏ならず、而れども一の幼子あり・あづくべき父も・たのもしからず・離別すでに久し。
 かた・がた筆も及ばず心弁へがたければとどめ畢んぬ。
 文永九年太歳壬申五月二十五日 日 蓮花押
 日妙聖人


  • 自由語検索
※複数入力の場合、単語をスペースで区切ってください。
検索オプション