御書本文
衆となりぬ、竜女と申せし蛇体の女人は法華経を文殊師利菩薩説き給ひしかば仏になりぬ、其の上仏説には悪世末法と時をささせ給いて末代の男女に・をくらせ給いぬ、此れこそ唐船の如くにて候・一乗経にてはおはしませ、されば一切経は外典に対すれば石と金との如し、又一切の大乗経・所謂華厳経・大日経・観経・阿弥陀経・般若経等の諸の経経を法華経に対すれば螢火と日月と華山と蟻塚との如し、経に勝劣あるのみならず大日経の一切の真言師と法華経の行者とを合すれば水に火をあはせ露と風とを合するが如し、犬は師子をほうれば腸くさる・修羅は日輪を射奉れば頭七分に破る、一切の真言師は犬と修羅との如く・法華経の行者は日輪と師子との如し、冰は日輪の出でざる時は堅き事金の如し、火は水のなき時はあつき事・鉄をやけるが如し、然れども夏の日にあひぬれば堅冰のとけやすさ・あつき火の水にあひて・きへやすさ、一切の真言師は気色のたうとげさ・智慧のかしこげさ・日輪をみざる者の堅き冰をたのみ・水をみざる者の火をたのめるが如し。
当世の人人の蒙古国をみざりし時のおごりは御覧ありしやうに・かぎりもなかりしぞかし、去年の十月よりは・一人も・おごる者なし、きこしめしし・やうに日蓮一人計りこそ申せしが・よせてだに・きたる程ならば面をあはする人も・あるべからず、但さるの犬ををそれ・かゑるの蛇を・をそるるが如くなるべし、是れ偏に釈迦仏の御使いたる法華経の行者を・一切の真言師・念仏者・律僧等に・にくませて我と損じ、ことさらに天のにくまれを・かほれる国なる故に皆人・臆病になれるなり、譬えば火が水をおそれ・木が金をおぢ・雉が鷹をみて魂を失ひ・ねずみが貓に・せめらるるが如し、一人も・たすかる者あるべからず、其の時は・いかがせさせ給うべき、軍には大将軍を魂とす大将軍をくしぬれば歩兵臆病なり。
女人は夫を魂とす・夫なければ女人魂なし、此の世に夫ある女人すら世の中渡りがたふみえて候に、魂もなくして世を渡らせ給うが・魂ある女人にもすぐれて心中かひがひしくおはする上・神にも心を入れ仏をもあがめさせ給
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
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乙御前御消息 | 54 | 身延 |
日蓮大聖人御書
検索結果詳細 御書本文
乙御前御消息 1,219ページ
衆となりぬ、竜女と申せし蛇体の女人は法華経を文殊師利菩薩説き給ひしかば仏になりぬ、其の上仏説には悪世末法と時をささせ給いて末代の男女に・をくらせ給いぬ、此れこそ唐船の如くにて候・一乗経にてはおはしませ、されば一切経は外典に対すれば石と金との如し、又一切の大乗経・所謂華厳経・大日経・観経・阿弥陀経・般若経等の諸の経経を法華経に対すれば螢火と日月と華山と蟻塚との如し、経に勝劣あるのみならず大日経の一切の真言師と法華経の行者とを合すれば水に火をあはせ露と風とを合するが如し、犬は師子をほうれば腸くさる・修羅は日輪を射奉れば頭七分に破る、一切の真言師は犬と修羅との如く・法華経の行者は日輪と師子との如し、冰は日輪の出でざる時は堅き事金の如し、火は水のなき時はあつき事・鉄をやけるが如し、然れども夏の日にあひぬれば堅冰のとけやすさ・あつき火の水にあひて・きへやすさ、一切の真言師は気色のたうとげさ・智慧のかしこげさ・日輪をみざる者の堅き冰をたのみ・水をみざる者の火をたのめるが如し。
当世の人人の蒙古国をみざりし時のおごりは御覧ありしやうに・かぎりもなかりしぞかし、去年の十月よりは・一人も・おごる者なし、きこしめしし・やうに日蓮一人計りこそ申せしが・よせてだに・きたる程ならば面をあはする人も・あるべからず、但さるの犬ををそれ・かゑるの蛇を・をそるるが如くなるべし、是れ偏に釈迦仏の御使いたる法華経の行者を・一切の真言師・念仏者・律僧等に・にくませて我と損じ、ことさらに天のにくまれを・かほれる国なる故に皆人・臆病になれるなり、譬えば火が水をおそれ・木が金をおぢ・雉が鷹をみて魂を失ひ・ねずみが貓に・せめらるるが如し、一人も・たすかる者あるべからず、其の時は・いかがせさせ給うべき、軍には大将軍を魂とす大将軍をくしぬれば歩兵臆病なり。
女人は夫を魂とす・夫なければ女人魂なし、此の世に夫ある女人すら世の中渡りがたふみえて候に、魂もなくして世を渡らせ給うが・魂ある女人にもすぐれて心中かひがひしくおはする上・神にも心を入れ仏をもあがめさせ給
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