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治部房御返事
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 又七の巻の不軽品・又四の巻の法師品・或は又二の巻の譬喩品、或は涅槃経四十巻・或は守護経等に委細に見へて候が、当時の世間に少しもたがひ候はぬ上、駿河の国賀島の荘は殊に目の前に身にあたらせ給いて覚へさせ給い候らん、他事には似候はず、父母・国主等の法華経を御制止候を用い候はねば還つて父母の孝養となり国主の祈りとなり候ぞ、其の上日本国はいみじき国にて候・神を敬ひ仏を崇むる国なり、而れども日蓮が法華経を弘通し候を上一人より下万民に至るまで御あだみ候故に、一切の神を敬ひ一切の仏を御供養候へども其の功徳還つて大悪となり、やいとの還つて悪瘡となるが如く薬の還つて毒となるが如し、一切の仏神等に祈り給ふ御祈りは還つて科と成りて此の国既に他国の財と成り候、又大なる人人皆平家の亡びしが様に百千万億すぎての御歎きたるべきよし、兼てより人人に申し聞せ候畢んぬ、又法華経をあだむ人の科にあたる分斉をもつて還つて功徳となる分斉をも知らせ給うべし、例せば父母を殺す人は何なる大善根をなせども天・是を受け給う事なし、又法華経のかたきとなる人をば父母なれども殺しぬれば大罪還つて大善根となり候、設い十方三世の諸仏の怨敵なれども法華経の一句を信じぬれば諸仏捨て給う事なし、是を以て推せさせ給へ、御使いそぎ候へば委しくは申さず候、又又申すべく候、恐恐謹言。
 八月二十二日 日 蓮 花押
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タイトル 聖寿 対告衆 述作地
治部房御返事 60   身延

日蓮大聖人御書

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 又七の巻の不軽品・又四の巻の法師品・或は又二の巻の譬喩品、或は涅槃経四十巻・或は守護経等に委細に見へて候が、当時の世間に少しもたがひ候はぬ上、駿河の国賀島の荘は殊に目の前に身にあたらせ給いて覚へさせ給い候らん、他事には似候はず、父母・国主等の法華経を御制止候を用い候はねば還つて父母の孝養となり国主の祈りとなり候ぞ、其の上日本国はいみじき国にて候・神を敬ひ仏を崇むる国なり、而れども日蓮が法華経を弘通し候を上一人より下万民に至るまで御あだみ候故に、一切の神を敬ひ一切の仏を御供養候へども其の功徳還つて大悪となり、やいとの還つて悪瘡となるが如く薬の還つて毒となるが如し、一切の仏神等に祈り給ふ御祈りは還つて科と成りて此の国既に他国の財と成り候、又大なる人人皆平家の亡びしが様に百千万億すぎての御歎きたるべきよし、兼てより人人に申し聞せ候畢んぬ、又法華経をあだむ人の科にあたる分斉をもつて還つて功徳となる分斉をも知らせ給うべし、例せば父母を殺す人は何なる大善根をなせども天・是を受け給う事なし、又法華経のかたきとなる人をば父母なれども殺しぬれば大罪還つて大善根となり候、設い十方三世の諸仏の怨敵なれども法華経の一句を信じぬれば諸仏捨て給う事なし、是を以て推せさせ給へ、御使いそぎ候へば委しくは申さず候、又又申すべく候、恐恐謹言。
 八月二十二日 日 蓮 花押
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