御書本文
も及ばず威徳も足らず、心のがうさは申すばかりなけれども・朝敵となりぬれば其の人ならざる人人も将門か純友かと舌にうちからみて申せども・彼の子孫等も・とがめず、義朝なんど申すは故右大将家の慈父なり、子を敬いまいらせば父をこそ敬いまいらせ候べきに・いかなる人人も義朝・為朝なんど申すぞ、此れ則王法の重く逆臣の罪のむくゐなり、上の六人も又かくのごとし、釈迦如来世に出でさせ給いて一代の聖教を説きをかせ給う、五十年の説法を我と集めて浅深・勝劣・虚妄・真実を定めて四十余年は未だ真実を顕さず已今当第一等と説かせ給いしかば・多宝・十方の仏真実なりと加判せさせ給いて定めをかれて候を・彼の六人は未顕真実の観経に依りて皆是れ真実の法華経を第一第二の悪人の為にはあらずと申さば・今の人人は彼にすかされて数年を経たるゆへに・将門・純友等が所従等彼を用いざりし百姓等を或は切り或は打ちなんどせしがごとし、彼をおそれて従いし男女は官軍にせめられて彼の人人と一時に水火のせめに値いしなり。
今日本国の一切の諸仏菩薩・一切の経を信ずるやうなれども・心は彼の六人の心なり身は又彼の六人の家人なり、彼の将門等は官軍の向はざりし時は大将の所従・知行の地且らく安穏なりしやうなりしかども・違勅の責め近づきしかば、所は修羅道となり男子は厨者の魚をほふるがごとし、炎に入り水に入りしなり、今日本国も又かくのごとし、彼の六人が僻見に依つて今生には守護の善神に放されて三災七難の国となり・後生には一業所感の衆生なれば阿鼻大城の炎に入るべし、法華経の第五の巻に末代の法華経の強敵を仏記し置き給えるは如六通羅漢と云云、上の六人は尊貴なること六通を現ずる羅漢の如し。
然るに浄蓮上人の親父は彼等の人人の御檀那なり、仏教実ならば無間大城疑いなし、又君の心を演ぶるは臣・親の苦をやすむるは子なり、目犍尊者は悲母の餓鬼の苦を救い浄蔵浄眼は慈父の邪見を翻し給いき、父母の遺体は子の色心なり、浄蓮上人の法華経を持ち給う御功徳は慈父の御力なり、提婆達多は阿鼻地獄に堕ちしかども天
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
---|---|---|---|
浄蓮房御書 | 54 | 身延 |
日蓮大聖人御書
検索結果詳細 御書本文
浄蓮房御書 1,434ページ
も及ばず威徳も足らず、心のがうさは申すばかりなけれども・朝敵となりぬれば其の人ならざる人人も将門か純友かと舌にうちからみて申せども・彼の子孫等も・とがめず、義朝なんど申すは故右大将家の慈父なり、子を敬いまいらせば父をこそ敬いまいらせ候べきに・いかなる人人も義朝・為朝なんど申すぞ、此れ則王法の重く逆臣の罪のむくゐなり、上の六人も又かくのごとし、釈迦如来世に出でさせ給いて一代の聖教を説きをかせ給う、五十年の説法を我と集めて浅深・勝劣・虚妄・真実を定めて四十余年は未だ真実を顕さず已今当第一等と説かせ給いしかば・多宝・十方の仏真実なりと加判せさせ給いて定めをかれて候を・彼の六人は未顕真実の観経に依りて皆是れ真実の法華経を第一第二の悪人の為にはあらずと申さば・今の人人は彼にすかされて数年を経たるゆへに・将門・純友等が所従等彼を用いざりし百姓等を或は切り或は打ちなんどせしがごとし、彼をおそれて従いし男女は官軍にせめられて彼の人人と一時に水火のせめに値いしなり。
今日本国の一切の諸仏菩薩・一切の経を信ずるやうなれども・心は彼の六人の心なり身は又彼の六人の家人なり、彼の将門等は官軍の向はざりし時は大将の所従・知行の地且らく安穏なりしやうなりしかども・違勅の責め近づきしかば、所は修羅道となり男子は厨者の魚をほふるがごとし、炎に入り水に入りしなり、今日本国も又かくのごとし、彼の六人が僻見に依つて今生には守護の善神に放されて三災七難の国となり・後生には一業所感の衆生なれば阿鼻大城の炎に入るべし、法華経の第五の巻に末代の法華経の強敵を仏記し置き給えるは如六通羅漢と云云、上の六人は尊貴なること六通を現ずる羅漢の如し。
然るに浄蓮上人の親父は彼等の人人の御檀那なり、仏教実ならば無間大城疑いなし、又君の心を演ぶるは臣・親の苦をやすむるは子なり、目犍尊者は悲母の餓鬼の苦を救い浄蔵浄眼は慈父の邪見を翻し給いき、父母の遺体は子の色心なり、浄蓮上人の法華経を持ち給う御功徳は慈父の御力なり、提婆達多は阿鼻地獄に堕ちしかども天
- 自由語検索