御書本文

撰時抄
283ページ

の嶋嶋へ調伏しやりまいらせ候いぬ、結句は野干のなきの身にをうなるやうに還著於本人の経文にすこしもたがはず叡山の三千人かまくらにせめられて一同にしたがいはてぬ、しかるに今はかまくらの世さかんなるゆへに東寺・天台・園城・七寺の真言師等と並びに自立をわすれたる法華宗の謗法の人人・関東にをちくだりて頭をかたぶけひざをかがめやうやうに武士の心をとりて、諸寺・諸山の別当となり長吏となりて王位を失いし悪法をとりいだして国土安穏といのれば、将軍家並びに所従の侍已下は国土の安穏なるべき事なんめりとうちをもひて有るほどに法華経を失う大禍の僧どもを用いらるれば国定めてほろびなん、亡国のかなしさ亡身のなげかしさに身命をすてて此の事をあらわすべし、国主世を持つべきならばあやしとおもひてたづぬべきところにただざんげんのことばのみ用いてやうやうのあだをなす、而るに法華経守護の梵天・帝釈・日月・四天・地神等は古の謗法をば不思議とはをぼせども此れをしれる人なければ一子の悪事のごとくうちゆるして、いつわりをろかなる時もあり又すこしつみしらする時もあり、今は謗法を用いたるだに不思議なるにまれまれ諫暁する人をかへりてあだをなす、一日・二日・一月・二月・一年・二年ならず数年に及ぶ、彼の不軽菩薩の杖木の難に値いしにもすぐれ覚徳比丘の殺害に及びしにもこえたり、而る間・梵釈の二王・日月・四天・衆星・地神等やうやうにいかり度度いさめらるれども・いよいよあだをなすゆへに天の御計いとして隣国の聖人にをほせつけられて此れをいましめ大鬼神を国に入れて人の心をたぼらかし自界反逆せしむ、吉凶につけて瑞大なれば難多かるべきことわりにて仏滅後・二千二百三十余年が間いまだいでざる大長星いまだふらざる大地しん出来せり、漢土・日本に智慧すぐれ才能いみじき聖人は度度ありしかどもいまだ日蓮ほど法華経のかたうどして国土に強敵多くまうけたる者なきなり、まづ眼前の事をもつて日蓮は閻浮提第一の者としるべし、仏法日本にわたて七百余年・一切経は五千七千・宗は八宗十宗・智人は稲麻のごとし弘通は竹葦ににたり、しかれども仏には阿弥陀仏・諸仏の名号には弥陀の名号ほどひろまりてをはする

この御書の最初のページ前のページ
タイトル 聖寿 対告衆 述作地
撰時抄 54   身延

日蓮大聖人御書

検索結果詳細 御書本文

撰時抄 283ページ

の嶋嶋へ調伏しやりまいらせ候いぬ、結句は野干のなきの身にをうなるやうに還著於本人の経文にすこしもたがはず叡山の三千人かまくらにせめられて一同にしたがいはてぬ、しかるに今はかまくらの世さかんなるゆへに東寺・天台・園城・七寺の真言師等と並びに自立をわすれたる法華宗の謗法の人人・関東にをちくだりて頭をかたぶけひざをかがめやうやうに武士の心をとりて、諸寺・諸山の別当となり長吏となりて王位を失いし悪法をとりいだして国土安穏といのれば、将軍家並びに所従の侍已下は国土の安穏なるべき事なんめりとうちをもひて有るほどに法華経を失う大禍の僧どもを用いらるれば国定めてほろびなん、亡国のかなしさ亡身のなげかしさに身命をすてて此の事をあらわすべし、国主世を持つべきならばあやしとおもひてたづぬべきところにただざんげんのことばのみ用いてやうやうのあだをなす、而るに法華経守護の梵天・帝釈・日月・四天・地神等は古の謗法をば不思議とはをぼせども此れをしれる人なければ一子の悪事のごとくうちゆるして、いつわりをろかなる時もあり又すこしつみしらする時もあり、今は謗法を用いたるだに不思議なるにまれまれ諫暁する人をかへりてあだをなす、一日・二日・一月・二月・一年・二年ならず数年に及ぶ、彼の不軽菩薩の杖木の難に値いしにもすぐれ覚徳比丘の殺害に及びしにもこえたり、而る間・梵釈の二王・日月・四天・衆星・地神等やうやうにいかり度度いさめらるれども・いよいよあだをなすゆへに天の御計いとして隣国の聖人にをほせつけられて此れをいましめ大鬼神を国に入れて人の心をたぼらかし自界反逆せしむ、吉凶につけて瑞大なれば難多かるべきことわりにて仏滅後・二千二百三十余年が間いまだいでざる大長星いまだふらざる大地しん出来せり、漢土・日本に智慧すぐれ才能いみじき聖人は度度ありしかどもいまだ日蓮ほど法華経のかたうどして国土に強敵多くまうけたる者なきなり、まづ眼前の事をもつて日蓮は閻浮提第一の者としるべし、仏法日本にわたて七百余年・一切経は五千七千・宗は八宗十宗・智人は稲麻のごとし弘通は竹葦ににたり、しかれども仏には阿弥陀仏・諸仏の名号には弥陀の名号ほどひろまりてをはする


  • 自由語検索
※複数入力の場合、単語をスペースで区切ってください。
検索オプション