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唱法華題目抄
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邪見の者なり法門は邪法なりなんどいゐうとむるなり。
 上の三人の中に第一の俗衆の毀よりも第二の邪智の比丘の毀は猶しのびがたし又第二の比丘よりも第三の大衣の阿練若の僧は甚し、此の三人は当世の権教を手本とする文字の法師並に諸経論の言語道断の文を信ずる暗禅の法師並に彼等を信ずる在俗等四十余年の諸経と法華経との権実の文義を弁へざる故に、華厳・方等・般若等の心仏衆生・即心是仏・即往十方西方等の文と法華経の諸法実相・即往十方西方の文と語の同じきを以て義理のかはれるを知らず或は諸経の言語道断・心行所滅の文を見て一代聖教には如来の実事をば宣べられざりけりなんどの邪念をおこす、故に悪鬼・此の三人に入つて末代の諸人を損じ国土をも破るなり故に経文に云く「濁劫悪世の中には多く諸の恐怖有らん悪鬼其の身に入つて我を罵詈し毀辱せん乃至仏の方便随宜所説の法を知らず」文・文の心は濁悪世の時比丘我が信ずる所の教は仏の方便随宜の法門ともしらずして権実を弁へたる人出来すれば詈り破しなんどすべし、是偏に悪鬼の身に入りたるをしらずと云うなり、されば末代の愚人の恐るべき事は刀杖・虎狼・十悪・五逆等よりも三衣・一鉢を帯せる暗禅の比丘と並に権経の比丘を貴しと見て実経の人をにくまん俗侶等なり。
 故に涅槃経二十二に云く「悪象等に於ては心に恐怖する事無かれ悪知識に於ては怖畏の心を生ぜよ何を以ての故に是悪象等は唯能く身を壊りて心を破ること能わず悪知識は二倶に壊るが故に乃至悪象の為に殺されては三趣に至らず悪友の為に殺されては必ず三趣に至らん」文此文の心を章安大師宣べて云く「諸の悪象等は但是れ悪縁にして人に悪心を生ぜしむる事能わず悪知識は甘談詐媚巧言令色もて人を牽いて悪を作さしむ悪を作すを以ての故に人の善心を破る之を名づけて殺と為す即ち地獄に堕す」文、文の心は悪知識と申すは甘くかたらひ詐り媚び言を巧にして愚癡の人の心を取つて善心を破るといふ事なり、総じて涅槃経の心は十悪・五逆の者よりも謗法闡提のものをおそるべしと誡めたり闡提の人と申すは法華経・涅槃経を云いうとむる者と見えたり、当世の念仏者

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タイトル 聖寿 対告衆 述作地
唱法華題目抄 39   鎌倉

日蓮大聖人御書

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唱法華題目抄 7ページ

邪見の者なり法門は邪法なりなんどいゐうとむるなり。
 上の三人の中に第一の俗衆の毀よりも第二の邪智の比丘の毀は猶しのびがたし又第二の比丘よりも第三の大衣の阿練若の僧は甚し、此の三人は当世の権教を手本とする文字の法師並に諸経論の言語道断の文を信ずる暗禅の法師並に彼等を信ずる在俗等四十余年の諸経と法華経との権実の文義を弁へざる故に、華厳・方等・般若等の心仏衆生・即心是仏・即往十方西方等の文と法華経の諸法実相・即往十方西方の文と語の同じきを以て義理のかはれるを知らず或は諸経の言語道断・心行所滅の文を見て一代聖教には如来の実事をば宣べられざりけりなんどの邪念をおこす、故に悪鬼・此の三人に入つて末代の諸人を損じ国土をも破るなり故に経文に云く「濁劫悪世の中には多く諸の恐怖有らん悪鬼其の身に入つて我を罵詈し毀辱せん乃至仏の方便随宜所説の法を知らず」文・文の心は濁悪世の時比丘我が信ずる所の教は仏の方便随宜の法門ともしらずして権実を弁へたる人出来すれば詈り破しなんどすべし、是偏に悪鬼の身に入りたるをしらずと云うなり、されば末代の愚人の恐るべき事は刀杖・虎狼・十悪・五逆等よりも三衣・一鉢を帯せる暗禅の比丘と並に権経の比丘を貴しと見て実経の人をにくまん俗侶等なり。
 故に涅槃経二十二に云く「悪象等に於ては心に恐怖する事無かれ悪知識に於ては怖畏の心を生ぜよ何を以ての故に是悪象等は唯能く身を壊りて心を破ること能わず悪知識は二倶に壊るが故に乃至悪象の為に殺されては三趣に至らず悪友の為に殺されては必ず三趣に至らん」文此文の心を章安大師宣べて云く「諸の悪象等は但是れ悪縁にして人に悪心を生ぜしむる事能わず悪知識は甘談詐媚巧言令色もて人を牽いて悪を作さしむ悪を作すを以ての故に人の善心を破る之を名づけて殺と為す即ち地獄に堕す」文、文の心は悪知識と申すは甘くかたらひ詐り媚び言を巧にして愚癡の人の心を取つて善心を破るといふ事なり、総じて涅槃経の心は十悪・五逆の者よりも謗法闡提のものをおそるべしと誡めたり闡提の人と申すは法華経・涅槃経を云いうとむる者と見えたり、当世の念仏者


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