御書本文

御義口伝巻上
715ページ

無量とは即ち称歎の辞なり仏の実智の竪に如理の底に徹することを明す故に甚深と言う、横に法界の辺を窮む故に無量と言う無量甚深にして竪に高く横に広し、譬えば根深ければ則ち条茂く源遠ければ則ち流長きが如し実智既に然り権智例して爾り云云、其智慧門は即ち是れ権智を歎ずるなり蓋し是れ自行の道前の方便進趣の力有り故に名けて門と為す、門より入つて道中に到る道中を実と称し道前を権と謂うなり、難解難入とは権を歎ずるの辞なり不謀にして了し無方の大用あり、七種の方便測度すること能わず十住に始めて解す十地を入と為す初と後とを挙ぐ中間の難示難悟は知る可し、而るに別して声聞縁覚の所不能知を挙ぐることは執重きが故に別して之を破するのみ、記の三に云く竪高横広とは中に於て法譬合あり此れを以て後を例す、今実を釈するに既に周く横竪を窮めたり下に権を釈するに理深極なるべし、下に当に権を釈すべし予め其の相を述す故に云云と註す、其智慧門とは其とは乃ち前の実果の因智を指す若し智慧即門ならば門は是れ権なり若し智慧の門ならば智即ち果なり、蓋し是等とは此の中に須く十地を以て道前と為し妙覚を道中と為し証後を道後と為すべし、故に知んぬ文の意は因の位に在りと。
御義口伝に云く此の本末の意分明なり、中に竪に高く横に広しとは竪は本門なり横は迹門なり、根とは草木なり草木は上へ登る此れは迹門の意なり、源とは本門なり源は水なり水は下へくだる此れは本門の意なり、条茂とは迹門十四品なり流長とは本門十四品なり智慧とは一心の三智なり門とは此の智慧に入る処の能入の門なり三智の体とは南無妙法蓮華経なり門とは信心の事なり、爰を以て第二の巻に以信得入と云う入と門とは之れ同じきなり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るを智慧とは云うなり、譬喩品に云く「唯有一門」と門に於て有門・空門・亦有亦空門・非有非空門あるなり、有門は生なり空門は死なり亦有亦空門は生死一念なり非有非空門は生に非ず死に非ず有門は題目の文字なり空門は此の五字に万法を具足して一方にとどこうらざる義な

この御書の最初のページ前のページ
タイトル 聖寿 対告衆 述作地
御義口伝巻上     身延

日蓮大聖人御書

検索結果詳細 御書本文

御義口伝巻上 715ページ

無量とは即ち称歎の辞なり仏の実智の竪に如理の底に徹することを明す故に甚深と言う、横に法界の辺を窮む故に無量と言う無量甚深にして竪に高く横に広し、譬えば根深ければ則ち条茂く源遠ければ則ち流長きが如し実智既に然り権智例して爾り云云、其智慧門は即ち是れ権智を歎ずるなり蓋し是れ自行の道前の方便進趣の力有り故に名けて門と為す、門より入つて道中に到る道中を実と称し道前を権と謂うなり、難解難入とは権を歎ずるの辞なり不謀にして了し無方の大用あり、七種の方便測度すること能わず十住に始めて解す十地を入と為す初と後とを挙ぐ中間の難示難悟は知る可し、而るに別して声聞縁覚の所不能知を挙ぐることは執重きが故に別して之を破するのみ、記の三に云く竪高横広とは中に於て法譬合あり此れを以て後を例す、今実を釈するに既に周く横竪を窮めたり下に権を釈するに理深極なるべし、下に当に権を釈すべし予め其の相を述す故に云云と註す、其智慧門とは其とは乃ち前の実果の因智を指す若し智慧即門ならば門は是れ権なり若し智慧の門ならば智即ち果なり、蓋し是等とは此の中に須く十地を以て道前と為し妙覚を道中と為し証後を道後と為すべし、故に知んぬ文の意は因の位に在りと。
御義口伝に云く此の本末の意分明なり、中に竪に高く横に広しとは竪は本門なり横は迹門なり、根とは草木なり草木は上へ登る此れは迹門の意なり、源とは本門なり源は水なり水は下へくだる此れは本門の意なり、条茂とは迹門十四品なり流長とは本門十四品なり智慧とは一心の三智なり門とは此の智慧に入る処の能入の門なり三智の体とは南無妙法蓮華経なり門とは信心の事なり、爰を以て第二の巻に以信得入と云う入と門とは之れ同じきなり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るを智慧とは云うなり、譬喩品に云く「唯有一門」と門に於て有門・空門・亦有亦空門・非有非空門あるなり、有門は生なり空門は死なり亦有亦空門は生死一念なり非有非空門は生に非ず死に非ず有門は題目の文字なり空門は此の五字に万法を具足して一方にとどこうらざる義な


  • 自由語検索
※複数入力の場合、単語をスペースで区切ってください。
検索オプション