御書本文
第七言論未訖の事
御義口伝に云く此の文は無明即法性の明文なり、其の故は智積難問の言未だ訖らざるに竜女三行半の偈を以て答うるなり、難問の意は別教の意なり無明なり竜女の答は円教の意なり法性なり、智積は元品の無明なり竜女は法性の女人なり仍て無明に即する法性法性に即する無明なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは言論未訖なり、時とは上の事の末末の事の始なり時とは無明法性同時の時なり南無妙法蓮華経と唱え奉る時なり、智積菩薩を元品の無明と云う事は不信此女の不信の二字なり不信とは疑惑なり疑惑を根本無明と云うなり、竜女を法性と云う事は我闡大乗教の文なり竜女とは竜は父なり女は八歳の娘なり竜女の二字は父子同時の成仏なり、其の故は時竜王女の文是なり既に竜王の女と云う間竜王は父なり女とは八歳の子なり、されば女の成仏は此の品にあり父の竜の成仏は序品に之れ在り、有八竜王の文是なり、然りと雖も父子同時の成仏なり序品は一経の序なる故なり、又聞成菩提とは竜女が智積を責めたる言なりされば唯我が成仏をば仏御存知あるべしとて又聞成菩提唯仏当証知と云えり苦の衆生とは別して女人の事なり、此の三行半の偈は一念三千の法門なり遍照於十方とは十界なり、殊には此の八歳の竜女の成仏は帝王持経の先祖たり、人王の始は神武天皇なり神武天皇は地神五代の第五の鵜萱葺不合尊の御子なり此の葺不合尊は豊玉姫の子なり此の豊玉姫は沙竭羅竜王の女なり八歳の竜女の姉なり、然る間先祖法華経の行者なり甚深甚深云云、されば此の提婆の一品は一天の腰刀なり無明煩悩の敵を切り生死愛着の繩を切る秘法なり、漢高三尺の剣も一字の智剣に及ばざるなり妙の一字の智剣を以て生死煩悩の繩を切るなり、提婆は火炎を顕し竜女は大蛇を示し文殊は智剣を顕すなり仍つて不動明王の尊形と口伝せり、提婆は我等が煩悩即菩提を顕すなり、竜女は生死即涅槃を顕すなり、文殊をば此
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
---|---|---|---|
御義口伝巻上 | 身延 |
日蓮大聖人御書
検索結果詳細 御書本文
御義口伝巻上 746ページ
第七言論未訖の事
御義口伝に云く此の文は無明即法性の明文なり、其の故は智積難問の言未だ訖らざるに竜女三行半の偈を以て答うるなり、難問の意は別教の意なり無明なり竜女の答は円教の意なり法性なり、智積は元品の無明なり竜女は法性の女人なり仍て無明に即する法性法性に即する無明なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは言論未訖なり、時とは上の事の末末の事の始なり時とは無明法性同時の時なり南無妙法蓮華経と唱え奉る時なり、智積菩薩を元品の無明と云う事は不信此女の不信の二字なり不信とは疑惑なり疑惑を根本無明と云うなり、竜女を法性と云う事は我闡大乗教の文なり竜女とは竜は父なり女は八歳の娘なり竜女の二字は父子同時の成仏なり、其の故は時竜王女の文是なり既に竜王の女と云う間竜王は父なり女とは八歳の子なり、されば女の成仏は此の品にあり父の竜の成仏は序品に之れ在り、有八竜王の文是なり、然りと雖も父子同時の成仏なり序品は一経の序なる故なり、又聞成菩提とは竜女が智積を責めたる言なりされば唯我が成仏をば仏御存知あるべしとて又聞成菩提唯仏当証知と云えり苦の衆生とは別して女人の事なり、此の三行半の偈は一念三千の法門なり遍照於十方とは十界なり、殊には此の八歳の竜女の成仏は帝王持経の先祖たり、人王の始は神武天皇なり神武天皇は地神五代の第五の鵜萱葺不合尊の御子なり此の葺不合尊は豊玉姫の子なり此の豊玉姫は沙竭羅竜王の女なり八歳の竜女の姉なり、然る間先祖法華経の行者なり甚深甚深云云、されば此の提婆の一品は一天の腰刀なり無明煩悩の敵を切り生死愛着の繩を切る秘法なり、漢高三尺の剣も一字の智剣に及ばざるなり妙の一字の智剣を以て生死煩悩の繩を切るなり、提婆は火炎を顕し竜女は大蛇を示し文殊は智剣を顕すなり仍つて不動明王の尊形と口伝せり、提婆は我等が煩悩即菩提を顕すなり、竜女は生死即涅槃を顕すなり、文殊をば此
- 自由語検索