御書本文

曾谷二郎入道殿御返事
1,068ページ

の上に在つて三千六百万億歳なり、然して後・此の阿鼻より転じて他方に生れて大地獄に在りて無数百千万億那由佗歳・大苦悩を受けん、彼は小乗経を以て権大乗を破せしも罪を受くること是くの如し、況や今三大師は未顕真実の経を以て三世の仏陀の本懐の説を破するのみに非ず剰さえ一切衆生成仏の道を失う深重の罪は過・現・未来の諸仏も争か之を窮むべけんや争か之を救う可けんや。
 法華経の第四に云く「已説今説当説・而於其中・此法華経・最為難信難解」又云く「最在其上」並に「薬王十喩」等云云、他経に於ては華厳・方等・般若・深密・大雲・密厳・金光明経等の諸教の中に経経の勝劣之を説くと雖も或は小乗経に対して此の経を第一と曰い或は真俗二諦に対して中道を第一と曰い或は印・真言等を説くを以て第一と為す、此等の説有りと雖も全く已今当の第一に非ざるなり、然而るに末の論師・人師等謬執の年積り門徒又繁多なり。
 爰に日蓮彼の依経に無きの由を責むる間・弥よ瞋恚を懐いて是非を糺明せず唯大妄語を構えて国主・国人等を誑惑し日蓮を損ぜんと欲す衆千の難を蒙らしむるのみに非ず両度の流罪剰え頸の座に及ぶ是なり、此等の大難忍び難き事・不軽の杖木にも過ぎ将又勧持の刀杖にも越えたり、又法師品の如きは「末代に法華経を弘通せん者は如来の使なり・此の人を軽賤するの輩の罪は教主釈尊を一中劫蔑如するに過ぎたり」等云云、今日本国には提婆達多・大慢婆羅門等が如く無間地獄に堕つ可き罪人・国中・三千五百八十七里の間に満つる所の四十五億八万九千六百五十九人の衆生之れ有り、彼の提婆・大慢等の無極の重罪を此の日本国四十五億八万九千六百五十九人に対せば軽罪中の軽罪なり、問う其の理如何、答う彼等は悪人為りと雖も全く法華を誹謗する者には非ざるなり又提婆達多は恒河第二の人第二は一闡提なり、今日本国四十五億八万九千六百五十九人は皆恒河第一の罪人なり然れば則ち提婆が三逆罪は軽毛の如し日本国の上に挙ぐる所の人人の重罪は猶大石の如し定めて梵釈も日本国を捨て

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タイトル 聖寿 対告衆 述作地
曾谷二郎入道殿御返事 60   身延

日蓮大聖人御書

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曾谷二郎入道殿御返事 1,068ページ

の上に在つて三千六百万億歳なり、然して後・此の阿鼻より転じて他方に生れて大地獄に在りて無数百千万億那由佗歳・大苦悩を受けん、彼は小乗経を以て権大乗を破せしも罪を受くること是くの如し、況や今三大師は未顕真実の経を以て三世の仏陀の本懐の説を破するのみに非ず剰さえ一切衆生成仏の道を失う深重の罪は過・現・未来の諸仏も争か之を窮むべけんや争か之を救う可けんや。
 法華経の第四に云く「已説今説当説・而於其中・此法華経・最為難信難解」又云く「最在其上」並に「薬王十喩」等云云、他経に於ては華厳・方等・般若・深密・大雲・密厳・金光明経等の諸教の中に経経の勝劣之を説くと雖も或は小乗経に対して此の経を第一と曰い或は真俗二諦に対して中道を第一と曰い或は印・真言等を説くを以て第一と為す、此等の説有りと雖も全く已今当の第一に非ざるなり、然而るに末の論師・人師等謬執の年積り門徒又繁多なり。
 爰に日蓮彼の依経に無きの由を責むる間・弥よ瞋恚を懐いて是非を糺明せず唯大妄語を構えて国主・国人等を誑惑し日蓮を損ぜんと欲す衆千の難を蒙らしむるのみに非ず両度の流罪剰え頸の座に及ぶ是なり、此等の大難忍び難き事・不軽の杖木にも過ぎ将又勧持の刀杖にも越えたり、又法師品の如きは「末代に法華経を弘通せん者は如来の使なり・此の人を軽賤するの輩の罪は教主釈尊を一中劫蔑如するに過ぎたり」等云云、今日本国には提婆達多・大慢婆羅門等が如く無間地獄に堕つ可き罪人・国中・三千五百八十七里の間に満つる所の四十五億八万九千六百五十九人の衆生之れ有り、彼の提婆・大慢等の無極の重罪を此の日本国四十五億八万九千六百五十九人に対せば軽罪中の軽罪なり、問う其の理如何、答う彼等は悪人為りと雖も全く法華を誹謗する者には非ざるなり又提婆達多は恒河第二の人第二は一闡提なり、今日本国四十五億八万九千六百五十九人は皆恒河第一の罪人なり然れば則ち提婆が三逆罪は軽毛の如し日本国の上に挙ぐる所の人人の重罪は猶大石の如し定めて梵釈も日本国を捨て


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