御書本文
し給いて本門の肝心たる南無妙法蓮華経の弘まらせ給うべき時を知りて・恋させ給いて是くの如き釈を設けさせ給いぬ、尚尚即身成仏とは迹門は能入の門・本門は即身成仏の所詮の実義なり、迹門にして得道せる人人・種類種・相対種の成仏・何れも其の実義は本門寿量品に限れば常にかく観念し給へ・正観なるべし。
然るにさばかりの上代の人人だにも即身成仏には取り煩はせ給いしに、女人の身として度度此くの如く法門を尋ねさせ給う事は偏に只事にあらず、教主釈尊御身に入り替らせ給うにや・竜女が跡を継ぎ給うか・又憍曇弥女の二度来れるか、知らず御身は忽に五障の雲晴れて寂光の覚月を詠め給うべし、委細は又又申す可く候。
弘安三年十月五日 日 蓮 花押
妙一女御返事
日厳尼御前御返事
日厳尼御前御返事 弘安三年十一月 五十九歳御作
弘安三年十一月八日、尼日厳の立て申す立願の願書並びに御布施の銭一貫文又たふかたびら一つ法華経の御宝前並びに日月天に申し上げ候い畢んぬ、其の上は私に計り申すに及ばず候叶ひ叶はぬは御信心により候べし全く日蓮がとがにあらず、水すめば月うつる風ふけば木ゆるぐごとく・みなの御心は水のごとし信のよはきはにごるがごとし、信心の・いさぎよきはすめるがごとし、木は道理のごとし・風のゆるがすは経文をよむがごとしと・をぼしめせ、恐恐。
十一月二十九日 日 蓮 花押
日厳尼御前御返事
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
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妙一女御返事 | 59 | 身延 | |
日厳尼御前御返事 | 59 | 身延 |
日蓮大聖人御書
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妙一女御返事 日厳尼御前御返事 1,262ページ
し給いて本門の肝心たる南無妙法蓮華経の弘まらせ給うべき時を知りて・恋させ給いて是くの如き釈を設けさせ給いぬ、尚尚即身成仏とは迹門は能入の門・本門は即身成仏の所詮の実義なり、迹門にして得道せる人人・種類種・相対種の成仏・何れも其の実義は本門寿量品に限れば常にかく観念し給へ・正観なるべし。
然るにさばかりの上代の人人だにも即身成仏には取り煩はせ給いしに、女人の身として度度此くの如く法門を尋ねさせ給う事は偏に只事にあらず、教主釈尊御身に入り替らせ給うにや・竜女が跡を継ぎ給うか・又憍曇弥女の二度来れるか、知らず御身は忽に五障の雲晴れて寂光の覚月を詠め給うべし、委細は又又申す可く候。
弘安三年十月五日 日 蓮 花押
妙一女御返事
日厳尼御前御返事
日厳尼御前御返事 弘安三年十一月 五十九歳御作
弘安三年十一月八日、尼日厳の立て申す立願の願書並びに御布施の銭一貫文又たふかたびら一つ法華経の御宝前並びに日月天に申し上げ候い畢んぬ、其の上は私に計り申すに及ばず候叶ひ叶はぬは御信心により候べし全く日蓮がとがにあらず、水すめば月うつる風ふけば木ゆるぐごとく・みなの御心は水のごとし信のよはきはにごるがごとし、信心の・いさぎよきはすめるがごとし、木は道理のごとし・風のゆるがすは経文をよむがごとしと・をぼしめせ、恐恐。
十一月二十九日 日 蓮 花押
日厳尼御前御返事
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