御書本文

千日尼御返事
1,320ページ

諸仏・如来・大妄語の罪にをとされて・寂光の浄土の金るり大地はたと・われて提婆がごとく・無間大城にかつぱと入り・法蓮香比丘尼がごとく身より大妄語の猛火ぱと・いでて・実報華王の花のその・一時に灰燼の地となるべし、いかでか・さる事は候べき、故阿仏房一人を寂光の浄土に入れ給はずば諸仏は大苦に堕ち給うべし、ただ・をいて物を見よ・ただをいて物を見よ、仏のまことそら事は此れにて見奉るべし、さてはをとこははしらのごとし女はなかわのごとし、をとこは足のごとし・女人は身のごとし、をとこは羽のごとし・女はみのごとし、羽とみと・べちべちに・なりなば・なにを・もつてか・とぶべき、はしらたうれなばなかは地に堕ちなん、いへにをとこなければ人のたましゐなきがごとし、くうじを・たれにか・いゐあわせん、よき物をば・たれにか・やしなうべき、一日二日たがいしを・だにも・をぼつかなく・をもいしに、こぞの三月の二十一日に・わかれにしが・こぞもまちくらせどまみゆる事なし、今年もすでに七つきになりぬ、たとい・われこそ来らずとも・いかにをとづれはなかるらん、ちりし花も又さきぬ・おちし菓も又なりぬ、春の風も・かわらず・秋のけしきも・こぞのごとし、いかに・この一事のみ・かわりゆきて本のごとく・なかるらむ、月は入りて又いでぬ・雲はきへて又来る、この人の出でてかへらぬ事こそ天も・うらめしく地もなげかしく候へ、さこそをぼすらめ・いそぎ・いそぎ法華経をらうれうと・たのみまいらせ給いて、りやうぜん浄土へ・まいらせ給いて・みまいらせさせ給うべし。
 抑子はかたきと申す経文もあり「世人子の為に衆の罪を造る」の文なり、鵰・鷲と申すとりは・をやは慈悲をもつて養へば子は・かへりて食とす・梟鳥と申すとりは生れては必ず母をくらう、畜生かくのごとし、人の中にも・はるり王は心もゆかぬ父の位を奪い取る、阿闍世王は父を殺せり、安禄山は養母をころし・安慶緒と申す人は父の安禄山を殺す・安慶緒は又史師明に殺されぬ・史師明は史朝義と申す子に又ころされぬ、此れは敵と申すもことわりなり、善星比丘と申すは教主釈尊の御子なり、苦得外道をかたらいて度度父の仏を殺し奉らんとす、又

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タイトル 聖寿 対告衆 述作地
千日尼御返事 59 阿仏坊尼 身延

日蓮大聖人御書

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千日尼御返事 1,320ページ

諸仏・如来・大妄語の罪にをとされて・寂光の浄土の金るり大地はたと・われて提婆がごとく・無間大城にかつぱと入り・法蓮香比丘尼がごとく身より大妄語の猛火ぱと・いでて・実報華王の花のその・一時に灰燼の地となるべし、いかでか・さる事は候べき、故阿仏房一人を寂光の浄土に入れ給はずば諸仏は大苦に堕ち給うべし、ただ・をいて物を見よ・ただをいて物を見よ、仏のまことそら事は此れにて見奉るべし、さてはをとこははしらのごとし女はなかわのごとし、をとこは足のごとし・女人は身のごとし、をとこは羽のごとし・女はみのごとし、羽とみと・べちべちに・なりなば・なにを・もつてか・とぶべき、はしらたうれなばなかは地に堕ちなん、いへにをとこなければ人のたましゐなきがごとし、くうじを・たれにか・いゐあわせん、よき物をば・たれにか・やしなうべき、一日二日たがいしを・だにも・をぼつかなく・をもいしに、こぞの三月の二十一日に・わかれにしが・こぞもまちくらせどまみゆる事なし、今年もすでに七つきになりぬ、たとい・われこそ来らずとも・いかにをとづれはなかるらん、ちりし花も又さきぬ・おちし菓も又なりぬ、春の風も・かわらず・秋のけしきも・こぞのごとし、いかに・この一事のみ・かわりゆきて本のごとく・なかるらむ、月は入りて又いでぬ・雲はきへて又来る、この人の出でてかへらぬ事こそ天も・うらめしく地もなげかしく候へ、さこそをぼすらめ・いそぎ・いそぎ法華経をらうれうと・たのみまいらせ給いて、りやうぜん浄土へ・まいらせ給いて・みまいらせさせ給うべし。
 抑子はかたきと申す経文もあり「世人子の為に衆の罪を造る」の文なり、鵰・鷲と申すとりは・をやは慈悲をもつて養へば子は・かへりて食とす・梟鳥と申すとりは生れては必ず母をくらう、畜生かくのごとし、人の中にも・はるり王は心もゆかぬ父の位を奪い取る、阿闍世王は父を殺せり、安禄山は養母をころし・安慶緒と申す人は父の安禄山を殺す・安慶緒は又史師明に殺されぬ・史師明は史朝義と申す子に又ころされぬ、此れは敵と申すもことわりなり、善星比丘と申すは教主釈尊の御子なり、苦得外道をかたらいて度度父の仏を殺し奉らんとす、又


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