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放ちて誓い給いしは・いかんが有るべき、唯仏前にては是くの如く申して多宝・十方の諸仏は本土にかへり給う、釈尊は御入滅ならせ給いて・ほど久くなりぬれば・末代辺国に法華経の行者有りとも梵釈・日月等・御誓いをうちわすれて守護し給う事なくば・日蓮がためには一旦のなげきなり、無始已来・鷹の前のきじ・蛇の前のかへる・貓の前のねずみ・犬の前のさると有りし時もありき、ゆめの代なれば仏・菩薩・諸天にすかされ・まいらせたりける者にてこそ候はめ。
なによりも・なげかしき事は梵と帝と日月と四天等の・南無妙法蓮華経の法華経の行者の大難に値をすてさせ給いて・現身に天の果報も尽きて花の大風に散るがごとく・雨の空より下るごとく・其の人命終入阿鼻獄と無間大城に堕ち給はん事こそあはれにはをぼへ候へ、設い彼の人人は三世十方の諸仏をかたうどとして知らぬよしのべ申し給うとも・日蓮は其の人人には強きかたきなり、若し仏の返頗をはせずば梵釈・日月・四天をば無間大城には必ずつけたてまつるべし、日蓮が眼をそろしくば・いそぎいそぎ仏前の誓いをばはたし給へ、日蓮が口、○。
又むぎひとひつ・鵞目両貫・わかめ・かちめ・みな一俵給い畢んぬ、干い・やきごめ・各各一かうぶくろ給い畢んぬ、一一の御志はかきつくすべしと申せども法門巨多に候へば留め畢んぬ、他門にきかせ給うなよ大事の事どもかきて候なり。
上野殿御消息
上野殿御消息 建治元年 五十四歳御作
与南条時光
三世の諸仏の世に出でさせ給いても皆皆四恩を報ぜよと説き・三皇・五帝・孔子・老子・顔回等の古の賢人は四徳を修せよとなり、四徳とは・一には父母に孝あるべし・二には主に忠あるべし・三には友に合うて礼あるべし・四に
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
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神国王御書 | 54 | 身延 | |
上野殿御消息 | 54 | 南条時光 | 身延 |
日蓮大聖人御書
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神国王御書 上野殿御消息 1,526ページ
放ちて誓い給いしは・いかんが有るべき、唯仏前にては是くの如く申して多宝・十方の諸仏は本土にかへり給う、釈尊は御入滅ならせ給いて・ほど久くなりぬれば・末代辺国に法華経の行者有りとも梵釈・日月等・御誓いをうちわすれて守護し給う事なくば・日蓮がためには一旦のなげきなり、無始已来・鷹の前のきじ・蛇の前のかへる・貓の前のねずみ・犬の前のさると有りし時もありき、ゆめの代なれば仏・菩薩・諸天にすかされ・まいらせたりける者にてこそ候はめ。
なによりも・なげかしき事は梵と帝と日月と四天等の・南無妙法蓮華経の法華経の行者の大難に値をすてさせ給いて・現身に天の果報も尽きて花の大風に散るがごとく・雨の空より下るごとく・其の人命終入阿鼻獄と無間大城に堕ち給はん事こそあはれにはをぼへ候へ、設い彼の人人は三世十方の諸仏をかたうどとして知らぬよしのべ申し給うとも・日蓮は其の人人には強きかたきなり、若し仏の返頗をはせずば梵釈・日月・四天をば無間大城には必ずつけたてまつるべし、日蓮が眼をそろしくば・いそぎいそぎ仏前の誓いをばはたし給へ、日蓮が口、○。
又むぎひとひつ・鵞目両貫・わかめ・かちめ・みな一俵給い畢んぬ、干い・やきごめ・各各一かうぶくろ給い畢んぬ、一一の御志はかきつくすべしと申せども法門巨多に候へば留め畢んぬ、他門にきかせ給うなよ大事の事どもかきて候なり。
上野殿御消息
上野殿御消息 建治元年 五十四歳御作
与南条時光
三世の諸仏の世に出でさせ給いても皆皆四恩を報ぜよと説き・三皇・五帝・孔子・老子・顔回等の古の賢人は四徳を修せよとなり、四徳とは・一には父母に孝あるべし・二には主に忠あるべし・三には友に合うて礼あるべし・四に
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