御書本文

一念三千理事
407ページ

 問う十二因縁を三世両重に分別する方如何、答う無明と行とは過去の二因なり識と名色と六入と触と受とは現在の五果なり愛と取と有とは現在の三因なり生と老死とは未来の両果なり、私の略頌に云く過去の二因無明行現在の五果識名色六入触受現在の三因愛取有未来の両果生老死と、問う十二因縁流転の次第如何、答う無明は行に縁たり行は識に縁たり識は名色に縁たり名色は六入に縁たり六入は触に縁たり触は受に縁たり受は愛に縁たり愛は取に縁たり取は有に縁たり有は生に縁たり生は老死憂悲苦悩に縁たり是れ其の生死海に流転する方なり此くの如くして凡夫とは成るなり、問う還滅の十二因縁の様如何答う無明滅すれば則ち行滅す行滅すれば則ち識滅す識滅すれば則ち名色滅す名色滅すれば則ち六入滅す六入滅すれば則ち触滅す触滅すれば則ち受滅す受滅すれば則ち愛滅す愛滅すれば則ち取滅す取滅すれば則ち有滅す有滅すれば則ち生滅す生滅すれば則ち老死憂悲苦悩滅す、是れ其の還滅の様なり仏は還つて煩悩を失つて行く方なり私に云く中有の人には十二因縁具に之無し又天上にも具には之無く又無色界にも具には之無し。
一念三千理事 十如是とは如是相は身なり玄二に云く相以て外に拠る覧て別つ可し文籤六に云く相は唯色に在り文、如是性は心なり玄二に云く性以て内に拠る自分改めず性文籤六に云くは唯心に在り文、如是体は身と心となり玄二に云く主質を名けて体となす文、如是力は身と心となり止に云く力は堪任を用となす文、如是作は身と心となり止に云く建立を作と名く文、如是因は心なり止に云く因とは果を招くを因と為す亦名けて業となす文、如是縁止に云く縁は縁由なり業を助く 文、如是果止に云く果は剋と獲を果為す文、如是報止に云く報は酬因を報と曰う文、如是本末究竟等玄二に云く初めの相を本と為し後ちの報を末と為す文、三種世間とは五陰世間止に云く十種陰界不陰同を以ての故に五世間と名くるなり文、衆生世間止に云く十界の衆生寧ろ異らざるを得る故に衆生世間と名くるなり文、国土世間止に云く十種の所居通じて国土世間と称す文、五陰とは新訳には五蘊と云うなり陰とは聚集の義なり一に色陰・五色是なり・二に受陰・領納是なり・三に想陰・倶舎に云く想は像を取るを体と為すと文・四に行陰・造作是行なり・五に識陰・了別是れ識なり・止の五に婆沙を引いて云く識・先ず了別し・次に受は領納し・想は相貌を取り・行は違従を起し・色は行に由つて感ずと。

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タイトル 聖寿 対告衆 述作地
一念三千理事 37   鎌倉

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 問う十二因縁を三世両重に分別する方如何、答う無明と行とは過去の二因なり識と名色と六入と触と受とは現在の五果なり愛と取と有とは現在の三因なり生と老死とは未来の両果なり、私の略頌に云く過去の二因無明行現在の五果識名色六入触受現在の三因愛取有未来の両果生老死と、問う十二因縁流転の次第如何、答う無明は行に縁たり行は識に縁たり識は名色に縁たり名色は六入に縁たり六入は触に縁たり触は受に縁たり受は愛に縁たり愛は取に縁たり取は有に縁たり有は生に縁たり生は老死憂悲苦悩に縁たり是れ其の生死海に流転する方なり此くの如くして凡夫とは成るなり、問う還滅の十二因縁の様如何答う無明滅すれば則ち行滅す行滅すれば則ち識滅す識滅すれば則ち名色滅す名色滅すれば則ち六入滅す六入滅すれば則ち触滅す触滅すれば則ち受滅す受滅すれば則ち愛滅す愛滅すれば則ち取滅す取滅すれば則ち有滅す有滅すれば則ち生滅す生滅すれば則ち老死憂悲苦悩滅す、是れ其の還滅の様なり仏は還つて煩悩を失つて行く方なり私に云く中有の人には十二因縁具に之無し又天上にも具には之無く又無色界にも具には之無し。
一念三千理事 十如是とは如是相は身なり玄二に云く相以て外に拠る覧て別つ可し文籤六に云く相は唯色に在り文、如是性は心なり玄二に云く性以て内に拠る自分改めず性文籤六に云くは唯心に在り文、如是体は身と心となり玄二に云く主質を名けて体となす文、如是力は身と心となり止に云く力は堪任を用となす文、如是作は身と心となり止に云く建立を作と名く文、如是因は心なり止に云く因とは果を招くを因と為す亦名けて業となす文、如是縁止に云く縁は縁由なり業を助く 文、如是果止に云く果は剋と獲を果為す文、如是報止に云く報は酬因を報と曰う文、如是本末究竟等玄二に云く初めの相を本と為し後ちの報を末と為す文、三種世間とは五陰世間止に云く十種陰界不陰同を以ての故に五世間と名くるなり文、衆生世間止に云く十界の衆生寧ろ異らざるを得る故に衆生世間と名くるなり文、国土世間止に云く十種の所居通じて国土世間と称す文、五陰とは新訳には五蘊と云うなり陰とは聚集の義なり一に色陰・五色是なり・二に受陰・領納是なり・三に想陰・倶舎に云く想は像を取るを体と為すと文・四に行陰・造作是行なり・五に識陰・了別是れ識なり・止の五に婆沙を引いて云く識・先ず了別し・次に受は領納し・想は相貌を取り・行は違従を起し・色は行に由つて感ずと。


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