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百六箇抄 862ページ

事の一念三千・一心三観の本迹　釈迦三世の諸仏・声聞・縁覚・人・天の唱る方は迹なり、南無妙法蓮華経は本なり。

久遠元初直行の本迹　名字本因妙は本種なれば本門なり、本果妙は余行に渡る故に本の上の迹なり、久遠釈尊の口唱を今日蓮直に唱うるなり。

久遠実成直体の本迹　久遠名字の正法は本種子なり、名字童形の位、釈迦は迹なり我本行菩薩道是なり、日蓮が修行は久遠を移せり。

久遠本果成道の本迹　名字の妙法を持つ処は直躰の本門なり直に唱え奉る我等は迹なり。
久遠自受用報身の本迹　男は本・女は迹・知り難き勝劣なり。能く能く伝流口決す可き者なり。

久成本門為事円の本迹　上行所伝の妙法は名字本有の妙法蓮華経なれば事理倶勝の本なり、日蓮並に弟子檀那等は迹なり。

色法即身成仏の本迹　親の義なり父の義なり、涌出品より已後・我等は色法の成仏なり不渡余行の妙法は本・我等は迹なり。

色法妙法蓮華経の本迹　男子と成つて名字の大法を聞き己己・物物・事事・本迹を顕す者なり、又今日の二十八品・品品の内の勝劣は通号は本なり勝なり・別号は迹なり劣なり云云。

　妙楽疏記九に云く故に知んぬ迹の実は本に於て猶虚なり、籤十に云く、今日は初成を以て元始と為し爾前迹

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