御書本文
をはらひ其の功徳のあまりを男女のきんだちきぬにきぬをかさね・いろにいろをかさね給うべし、穴賢穴賢。
建治三年丁丑十一月十八日 日 蓮在御判
太田入道殿女房御返事
太田左衛門尉御返事
太田左衛門尉御返事 弘安元年四月 五十七歳御作
当月十八日の御状同じき廿三日の午の剋計りに到来・軈拝見仕り候い畢んぬ、御状の如く御布施鳥目十貫文・太刀・五明一本・焼香廿両給い候、抑専ら御状に云く某今年は五十七に罷り成り候へば大厄の年かと覚え候、なにやらんして正月の下旬の比より卯月の此の比に至り候まで身心に苦労多く出来候、本より人身を受くる者は必ず身心に諸病相続して五体に苦労あるべしと申しながら更に云云。
此の事最第一の歎きの事なり、十二因縁と申す法門あり意は我等が身は諸苦を以て体と為す、されば先世に業を造る故に諸苦を受け先世の集・煩悩が諸苦を招き集め候、過去の二因・現在の五果・現在の三因・未来の両果とて三世次第して一切の苦果を感ずるなり、在世の二乗が此等の諸苦を失はんとて空理に沈み灰身滅智して菩薩の勤行・精進の志を忘れ空理を証得せん事を真極と思うなり、仏・方等の時・此等の心地を弾呵し給いしなり、然るに生を此の三界に受けたる者苦を離るる者あらんや、羅漢の応供すら猶此くの如し況や底下の凡夫をや、さてこそいそぎ生死を・離るべしと勧め申し候へ。
此等体の法門はさて置きぬ、御辺は今年は大厄と云云、昔伏羲の御宇に黄河と申す河より亀と申す魚・八卦と申す文を甲に負て浮出たり、時の人・此の文を取り挙げて見れば人の生年より老年の終りまで厄の様を明したり、
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
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大田殿女房御返事 | 56 | 大田入道女房 | 身延 |
太田左衛門尉御返事 | 57 | 身延 |
日蓮大聖人御書
検索結果詳細 御書本文
大田殿女房御返事 太田左衛門尉御返事 1,014ページ
をはらひ其の功徳のあまりを男女のきんだちきぬにきぬをかさね・いろにいろをかさね給うべし、穴賢穴賢。
建治三年丁丑十一月十八日 日 蓮在御判
太田入道殿女房御返事
太田左衛門尉御返事
太田左衛門尉御返事 弘安元年四月 五十七歳御作
当月十八日の御状同じき廿三日の午の剋計りに到来・軈拝見仕り候い畢んぬ、御状の如く御布施鳥目十貫文・太刀・五明一本・焼香廿両給い候、抑専ら御状に云く某今年は五十七に罷り成り候へば大厄の年かと覚え候、なにやらんして正月の下旬の比より卯月の此の比に至り候まで身心に苦労多く出来候、本より人身を受くる者は必ず身心に諸病相続して五体に苦労あるべしと申しながら更に云云。
此の事最第一の歎きの事なり、十二因縁と申す法門あり意は我等が身は諸苦を以て体と為す、されば先世に業を造る故に諸苦を受け先世の集・煩悩が諸苦を招き集め候、過去の二因・現在の五果・現在の三因・未来の両果とて三世次第して一切の苦果を感ずるなり、在世の二乗が此等の諸苦を失はんとて空理に沈み灰身滅智して菩薩の勤行・精進の志を忘れ空理を証得せん事を真極と思うなり、仏・方等の時・此等の心地を弾呵し給いしなり、然るに生を此の三界に受けたる者苦を離るる者あらんや、羅漢の応供すら猶此くの如し況や底下の凡夫をや、さてこそいそぎ生死を・離るべしと勧め申し候へ。
此等体の法門はさて置きぬ、御辺は今年は大厄と云云、昔伏羲の御宇に黄河と申す河より亀と申す魚・八卦と申す文を甲に負て浮出たり、時の人・此の文を取り挙げて見れば人の生年より老年の終りまで厄の様を明したり、
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