御書本文
は名号なり、故に或は六万・八万・四十八万返・或は十返・百返・千返なり、而るを日蓮一人・阿弥陀仏は無間の業・禅宗は天魔の所為・真言は亡国の悪法・律宗・持斎等は国賊なりと申す故に上一人より下万民に至るまで父母の敵・宿世の敵・謀叛・夜討・強盗よりも或は畏れ・或は瞋り・或は詈り・或は打つ、是を訾る者には所領を与へ・是を讃むる者をば其の内を出だし或は過料を引かせ・殺害したる者をば褒美なんど・せらるる上・両度まで御勘気を蒙れり、当世第一の不思議の者たるのみならず人王九十代・仏法渡りては七百余年なれども・かかる不思議の者なし、日蓮は文永の大彗星の如し日本国に昔より無き天変なり、日蓮は正嘉の大地震の如し秋津洲に始めての地夭なり、日本国に代始まりてより已に謀叛の者・二十六人・第一は大山の王子・第二は大石の山丸・乃至第二十五人は頼朝・第二十六人は義時なり、二十四人は朝に責められ奉り獄門に首を懸けられ山野に骸を曝す、二人は王位を傾むけ奉り・国中を手に拳る王法・既に尽きぬ、此等の人人も日蓮が万人に悪まるるに過ぎず、其の由を尋ぬれば法華経には最第一の文あり、然るを弘法大師は法華最第三・慈覚大師は法華最第二・智証大師は慈覚の如し、今叡山・東寺・園城寺の諸僧・法華経に向いては法華最第一と読めども其の義をば第二・第三と読むなり、公家と武家とは子細は知ろしめさねども御帰依の高僧等・皆此の義なれば師檀一同の義なり、其の外禅宗は教外別伝と云云・法華経を蔑如する言なり、念仏宗は千中無一・未有一人得者と申す心は法華経を念仏に対して挙げて失ふ義なり、律宗は小乗なり正法の時すら仏免し給う事なし況や末法に是を行じて国主を誑惑し奉るをや、妲己・妺喜・褒似の三女が三王を誑らかして代を失いしが如し、かかる悪法・国に流布して法華経を失う故に安徳・尊成等の大王・天照太神・正八幡に捨てられ給いて或は海に沈み或は島に放たれ給い相伝の所従等に傾けられ給いしは天に捨てられさせ給う故ぞかし、法華経の御敵を御帰依有りしかども是を知る人なければ其の失を知る事もなし、「智人は起を知り蛇は自ら蛇を識る」とは是なり。
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
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秋元御書 | 59 | 身延 |
日蓮大聖人御書
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秋元御書 1,073ページ
は名号なり、故に或は六万・八万・四十八万返・或は十返・百返・千返なり、而るを日蓮一人・阿弥陀仏は無間の業・禅宗は天魔の所為・真言は亡国の悪法・律宗・持斎等は国賊なりと申す故に上一人より下万民に至るまで父母の敵・宿世の敵・謀叛・夜討・強盗よりも或は畏れ・或は瞋り・或は詈り・或は打つ、是を訾る者には所領を与へ・是を讃むる者をば其の内を出だし或は過料を引かせ・殺害したる者をば褒美なんど・せらるる上・両度まで御勘気を蒙れり、当世第一の不思議の者たるのみならず人王九十代・仏法渡りては七百余年なれども・かかる不思議の者なし、日蓮は文永の大彗星の如し日本国に昔より無き天変なり、日蓮は正嘉の大地震の如し秋津洲に始めての地夭なり、日本国に代始まりてより已に謀叛の者・二十六人・第一は大山の王子・第二は大石の山丸・乃至第二十五人は頼朝・第二十六人は義時なり、二十四人は朝に責められ奉り獄門に首を懸けられ山野に骸を曝す、二人は王位を傾むけ奉り・国中を手に拳る王法・既に尽きぬ、此等の人人も日蓮が万人に悪まるるに過ぎず、其の由を尋ぬれば法華経には最第一の文あり、然るを弘法大師は法華最第三・慈覚大師は法華最第二・智証大師は慈覚の如し、今叡山・東寺・園城寺の諸僧・法華経に向いては法華最第一と読めども其の義をば第二・第三と読むなり、公家と武家とは子細は知ろしめさねども御帰依の高僧等・皆此の義なれば師檀一同の義なり、其の外禅宗は教外別伝と云云・法華経を蔑如する言なり、念仏宗は千中無一・未有一人得者と申す心は法華経を念仏に対して挙げて失ふ義なり、律宗は小乗なり正法の時すら仏免し給う事なし況や末法に是を行じて国主を誑惑し奉るをや、妲己・妺喜・褒似の三女が三王を誑らかして代を失いしが如し、かかる悪法・国に流布して法華経を失う故に安徳・尊成等の大王・天照太神・正八幡に捨てられ給いて或は海に沈み或は島に放たれ給い相伝の所従等に傾けられ給いしは天に捨てられさせ給う故ぞかし、法華経の御敵を御帰依有りしかども是を知る人なければ其の失を知る事もなし、「智人は起を知り蛇は自ら蛇を識る」とは是なり。
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