御書本文
にかくされ・花を風にふかせて・ゆめか・ゆめならざるか・あわれひさしきゆめかなと・なげきをり候へば・うつつににて・すでに四十九日はせすぎぬ、まことならば・いかんがせん、さける花は・ちらずして・つぼめる花のかれたる、をいたる母は・とどまりて・わかきこは・さりぬ、なさけなかりける無常かな・無常かな。
かかる・なさけなき国をば・いとい・すてさせ給いて故五郎殿の御信用ありし法華経につかせ給いて・常住不壊のりやう山浄土へとくまいらせ給うちちはりやうぜんにまします・母は娑婆にとどまれり、二人の中間に・をはします故五郎殿の心こそ・をもひやられて・あわれに・をぼへ候へ、事多しと申せども・とどめ候い畢んぬ、恐恐謹言。
十月二十四日 日 蓮 花押
上野殿母尼御前御返事
南条殿御返事
南条殿御返事
麞牙二石並びに鷷鵄一だ・故五郎殿百ケ日等云云、法華経の第七に云く、「川流江河諸水の中に海これ第一なり此の法華経も亦復是くの如し」等云云、此の経は法華経をば大海に譬へられて候、大海と申すは・ふかき事八万四千由旬広きこと又かくのごとし、此の大海の中にはなになにのすみ有りと申し候へば阿修羅王 凡夫にてをはせし時・不妄語戒を持ちて・まなこをぬかれ・かわをはがれ・ししむらをやぶられ・血をすはれ骨かれ・子を殺され・めをうばわれなんどせしかども・無量劫が間・一度もそら事なくして其の功に依りて仏となり給いて候が・無一不成仏と申して南無妙法蓮華経を只一度申せる人・一人として仏にならざるはなしと・とかせ給いて候、釈迦一仏の仰せなりとも疑うべきにあらざるに・十方の仏の御前にて・なにのゆへにか・そら事をばせさせ給うべき、其の上釈迦仏と十方の仏と同時に舌を大梵天に。
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
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上野殿母御前御返事 | 59 | 身延 | |
南条殿御返事 | 59 | 身延 |
日蓮大聖人御書
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上野殿母御前御返事 南条殿御返事 1,573ページ
にかくされ・花を風にふかせて・ゆめか・ゆめならざるか・あわれひさしきゆめかなと・なげきをり候へば・うつつににて・すでに四十九日はせすぎぬ、まことならば・いかんがせん、さける花は・ちらずして・つぼめる花のかれたる、をいたる母は・とどまりて・わかきこは・さりぬ、なさけなかりける無常かな・無常かな。
かかる・なさけなき国をば・いとい・すてさせ給いて故五郎殿の御信用ありし法華経につかせ給いて・常住不壊のりやう山浄土へとくまいらせ給うちちはりやうぜんにまします・母は娑婆にとどまれり、二人の中間に・をはします故五郎殿の心こそ・をもひやられて・あわれに・をぼへ候へ、事多しと申せども・とどめ候い畢んぬ、恐恐謹言。
十月二十四日 日 蓮 花押
上野殿母尼御前御返事
南条殿御返事
南条殿御返事
麞牙二石並びに鷷鵄一だ・故五郎殿百ケ日等云云、法華経の第七に云く、「川流江河諸水の中に海これ第一なり此の法華経も亦復是くの如し」等云云、此の経は法華経をば大海に譬へられて候、大海と申すは・ふかき事八万四千由旬広きこと又かくのごとし、此の大海の中にはなになにのすみ有りと申し候へば阿修羅王 凡夫にてをはせし時・不妄語戒を持ちて・まなこをぬかれ・かわをはがれ・ししむらをやぶられ・血をすはれ骨かれ・子を殺され・めをうばわれなんどせしかども・無量劫が間・一度もそら事なくして其の功に依りて仏となり給いて候が・無一不成仏と申して南無妙法蓮華経を只一度申せる人・一人として仏にならざるはなしと・とかせ給いて候、釈迦一仏の仰せなりとも疑うべきにあらざるに・十方の仏の御前にて・なにのゆへにか・そら事をばせさせ給うべき、其の上釈迦仏と十方の仏と同時に舌を大梵天に。
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