御書本文

月水御書 大学三郎殿御書
1,203ページ

強義を申して多くの檀那を損ずる事ありと見えて候なり、若し然らば此の国の明神・多分は此の月水をいませ給へり、生を此の国にうけん人人は大に忌み給うべきか、但し女人の日の所作は苦しかるべからずと覚え候か、元より法華経を信ぜざる様なる人人が経をいかにしても云いうとめんと思うが・さすがに・ただちに経を捨てよとは云いえずして、身の不浄なんどにつけて法華経を遠ざからしめんと思う程に、又不浄の時・此れを行ずれば経を愚かにしまいらする・なんど・おどして罪を得させ候なり、此の事をば一切御心得候て月水の御時は七日までも其の気の有らん程は御経をば・よませ給はずして暗に南無妙法蓮華経と唱えさせ給い候へ、礼拝をも経にむかはせ給はずして拝せさせ給うべし、又不慮に臨終なんどの近づき候はんには魚鳥なんどを服せさせ給うても候へ、よみぬべくば経をもよみ及び南無妙法蓮華経とも唱えさせ給い候べし、又月水なんどは申すに及び候はず又南無一乗妙典と唱えさせ給う事是れ同じ事には侍れども天親菩薩・天台大師等の唱えさせ給い候しが如く・只南無妙法蓮華経と唱えさせ給うべきか、是れ子細ありてかくの如くは申し候なり、穴賢穴賢。
 文永元年甲子四月十七日 日 蓮花押
 大学三郎殿御内御報

大学三郎殿御書

 大学三郎殿御書 建治元年七月 五十四歳御作

 外道には天・人・畜の三善道を明し鬼道の有無之を論じて地獄道は其の沙汰無し、小乗経には六道の因果を明して四聖の因果以て分明ならず、倶舎・成実・律の三宗は小乗経に依憑して但六道を明す是なり、三論宗は天台宗已前に天竺より之を渡す八界を立てて十界を明さず、法相宗は又天竺の宗なり天台已後に唐の太宗の世に之を渡

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タイトル 聖寿 対告衆 述作地
月水御書 43 大学三郎妻 鎌倉
大学三郎殿御書 54   身延

日蓮大聖人御書

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月水御書 大学三郎殿御書 1,203ページ

強義を申して多くの檀那を損ずる事ありと見えて候なり、若し然らば此の国の明神・多分は此の月水をいませ給へり、生を此の国にうけん人人は大に忌み給うべきか、但し女人の日の所作は苦しかるべからずと覚え候か、元より法華経を信ぜざる様なる人人が経をいかにしても云いうとめんと思うが・さすがに・ただちに経を捨てよとは云いえずして、身の不浄なんどにつけて法華経を遠ざからしめんと思う程に、又不浄の時・此れを行ずれば経を愚かにしまいらする・なんど・おどして罪を得させ候なり、此の事をば一切御心得候て月水の御時は七日までも其の気の有らん程は御経をば・よませ給はずして暗に南無妙法蓮華経と唱えさせ給い候へ、礼拝をも経にむかはせ給はずして拝せさせ給うべし、又不慮に臨終なんどの近づき候はんには魚鳥なんどを服せさせ給うても候へ、よみぬべくば経をもよみ及び南無妙法蓮華経とも唱えさせ給い候べし、又月水なんどは申すに及び候はず又南無一乗妙典と唱えさせ給う事是れ同じ事には侍れども天親菩薩・天台大師等の唱えさせ給い候しが如く・只南無妙法蓮華経と唱えさせ給うべきか、是れ子細ありてかくの如くは申し候なり、穴賢穴賢。
 文永元年甲子四月十七日 日 蓮花押
 大学三郎殿御内御報

大学三郎殿御書

 大学三郎殿御書 建治元年七月 五十四歳御作

 外道には天・人・畜の三善道を明し鬼道の有無之を論じて地獄道は其の沙汰無し、小乗経には六道の因果を明して四聖の因果以て分明ならず、倶舎・成実・律の三宗は小乗経に依憑して但六道を明す是なり、三論宗は天台宗已前に天竺より之を渡す八界を立てて十界を明さず、法相宗は又天竺の宗なり天台已後に唐の太宗の世に之を渡


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