御書本文
況や第六天の魔王をや、魔王は前には主なりしかども今は敬ひ畏れて、あしうせば法華経・十方の諸仏の御見参にあしうや入らんずらんと恐れ畏て供養をなすなり、何にしても六道の一切衆生をば法華経へ・つけじと・はげむなり、然るに何なる事にや・をはすらん皆人の憎み候日蓮を不便とおぼして、かく遙遙と山中へ種種の物送りたび候事一度二度ならず、ただごとにあらず偏へに釈迦仏の入り替らせ給へるか、又をくれさせ給ひける御君達の御仏にならせ給いて父母を導かんために御心に入り替らせ給へるか。
妙荘厳王と申せし王は悪王なりしかども御太子・浄蔵浄眼の導かせ給いしかば父母二人共に法華経を御信用有りて仏にならせ給いしぞかし、是もさにてや候らん・あやしく覚え候、甲斐公が語りしは常の人よりも・みめ形も勝れて候し上・心も直くて智慧賢く、何事に付けても・ゆゆしかりし人の疾はかなく成りし事の哀れさよと思ひ候しが、又倩思へば此の子なき故に母も道心者となり父も後世者に成りて候は只とも覚え候はぬに、又皆人の悪み候・法華経に付かせ給へば偏へに是なき人の二人の御身に添うて勧め進らせられ候にやと申せしが・さもやと覚え候、前前は只荒増の事かと思いて候へば是程御志の深く候ひける事は始めて知りて候、又若しやの事候はばくらき闇に月の出づるが如く妙法蓮華経の五字・月と露れさせ給うべし、其の月の中には釈迦仏・十方の諸仏・乃至前に立たせ給ひし御子息の露れさせ給ふべしと思し召せ、委くは又又申すべし、恐恐謹言。
七月七日 日 蓮 花押
刑部左衛門尉女房御返事
刑部左衛門尉女房御返事
今月飛来の雁書に云く此の十月三日母にて候もの十三年に相当れり銭二十貫文等云云、夫外典三千余巻には忠
タイトル | 聖寿 | 対告衆 | 述作地 |
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浄蔵浄眼御消息 | 59 | 身延 | |
刑部左衛門尉女房御返事 | 59 | 身延 |
日蓮大聖人御書
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浄蔵浄眼御消息 刑部左衛門尉女房御返事 1,397ページ
況や第六天の魔王をや、魔王は前には主なりしかども今は敬ひ畏れて、あしうせば法華経・十方の諸仏の御見参にあしうや入らんずらんと恐れ畏て供養をなすなり、何にしても六道の一切衆生をば法華経へ・つけじと・はげむなり、然るに何なる事にや・をはすらん皆人の憎み候日蓮を不便とおぼして、かく遙遙と山中へ種種の物送りたび候事一度二度ならず、ただごとにあらず偏へに釈迦仏の入り替らせ給へるか、又をくれさせ給ひける御君達の御仏にならせ給いて父母を導かんために御心に入り替らせ給へるか。
妙荘厳王と申せし王は悪王なりしかども御太子・浄蔵浄眼の導かせ給いしかば父母二人共に法華経を御信用有りて仏にならせ給いしぞかし、是もさにてや候らん・あやしく覚え候、甲斐公が語りしは常の人よりも・みめ形も勝れて候し上・心も直くて智慧賢く、何事に付けても・ゆゆしかりし人の疾はかなく成りし事の哀れさよと思ひ候しが、又倩思へば此の子なき故に母も道心者となり父も後世者に成りて候は只とも覚え候はぬに、又皆人の悪み候・法華経に付かせ給へば偏へに是なき人の二人の御身に添うて勧め進らせられ候にやと申せしが・さもやと覚え候、前前は只荒増の事かと思いて候へば是程御志の深く候ひける事は始めて知りて候、又若しやの事候はばくらき闇に月の出づるが如く妙法蓮華経の五字・月と露れさせ給うべし、其の月の中には釈迦仏・十方の諸仏・乃至前に立たせ給ひし御子息の露れさせ給ふべしと思し召せ、委くは又又申すべし、恐恐謹言。
七月七日 日 蓮 花押
刑部左衛門尉女房御返事
刑部左衛門尉女房御返事
今月飛来の雁書に云く此の十月三日母にて候もの十三年に相当れり銭二十貫文等云云、夫外典三千余巻には忠
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